出張の際に飛行機を使う企業も多いのではないでしょうか。特にいつも同じ路線や時間帯を使う場合は、使い勝手やマイレージ加算の点からANA(全日本空輸)を好んで使われている出張者もいらっしゃると思います。利用回数が多い分、お得に手配したり、スムーズな予約、事務処理が出来れば嬉しいですよね。そこで本記事では全日空が提供している国内航空券(ANA Biz)と海外航空券(ANA ProFlyers Bonus)の法人契約サービスについて解説します。
ANA Bizとは、全日空が法人向けに提供している予約サービスです。法人契約を結ぶと専用運賃や企業一括精算、出張管理機能等を利用することが可能です。
ANA Bizは、国内線限定のコーポレートサービスとなり、国際線のコーポレートサービスは後述します。
これまで国内法人向けサービスとしては「ANA@desk」がありましたが、2023年3月末日搭乗分をもってサービスが終了します。自動切換にはならないため、ANAの法人サービスを継続したい場合は、ANA Bizへ新規で申し込む必要があります。
参考:ANA Bizとは
ANA Bizには一般消費者向け予約サービスとは異なる特徴があります。
専用運賃(Biz/プレミアムBiz )は、一般料金よりもお得な運賃設定となっています。変更手数料はかからず、急な予約変更であっても何度でも変更が可能な出張向きの運賃です。
株式会社ジェーシービーの「企業間決済サービス」での精算です。こちらはクレジットカードを発行しないカードレスサービスとなっています。
※指定の法人カードでの契約も可能です。
精算や搭乗実績のレポート機能だけでなく、承認者や管理者による代理発券が可能です。
そのほかにも英語対応やANA Biz専用問合せ窓口の設置はもちろんのこと、株主優待券の事前登録が可能になる等、従来のサービスであるANA@deskにはなかった機能が追加されています。
オンラインで24時間365日予約と発券が可能になります。営業時間や休日の影響を受けないため、突然の出張や変更にも対応できます。
専用運賃でのお得な購入による直接的な旅費削減が見込めます。変更手数料も発生しないため、通常よりも航空券にかかる負担を抑えることが出来ます。
オンライン予約によるデータ管理の効率化、一括精算による仮払いや立替精算の手続きの削減が見込めます。また出張で起こりがちな急な予定変更もオンラインで変更出来るので出張者の負担を減らすことが出来ます。
書面での契約が不要になるため、導入を円滑に行うことが可能です。また精算はカードレスクレジット決済を選択することが可能です。その場合はクレジットカードの管理が不要になり、管理工数の削減が見込めます。
ANA Bizへの入会はJCBカードレスサービスまたは法人カードの契約が必要です。
JCBカードレスサービスへの申込の流れは次の通りです。一般的に申込には1〜1.5ヵ月程度かかります。
①ANAウェブサイトの入会フォームから申し込む。
②後日案内されるJCBオンライン入会フォームから申し込む。
③必要な契約書類を郵送する。
④JCBの審査に通るとANAから利用開始手続きの案内を受ける。
⑤企業ページの初期設定を行い、利用を開始する。
法人カードへの申込の流れは次の通りです。一般的に申込には2〜3週間程度かかります。
①ANAウェブサイトの入会フォームから申し込む。
②後日案内される各カード会社指定の方法で入会申請する。
③クレジットカード会社の審査に通ると、ANAから利用開始手続きの案内を受ける。
⑤企業ページの初期設定を行い、利用を開始する。
ANA ProFlyers Bonus(APF)とは、全日空が法人向けに提供している国際線予約サービスです。法人契約を結ぶとポイントプログラムを利用することが可能です。APFは国際線限定のコーポレートサービスとなります。
参考:プログラム案内│法人のお客様向けサービス(国際線)│海外航空券│ANA国際線
APFには一般消費者向け予約サービスとは異なる特徴があります。
「APF専用WEBサイト」、「旅行会社」、「予約案内センター」のいずれかで予約すると、搭乗実績50,000円=1APFポイント(=1,000円相当)を貯めることができます。
ポイントプログラムではギフト券や送迎・機内Wi-Fiサービス、アップグレード、ビジネス講座の受講などが提供されており、福利厚生の一環として利用できるでしょう。
ANA運航のフライトだけでなく、対象航空会社の便もAPFの対象となります。
APFの特典は個人に付与されるマイレージプログラムとは別加算となっています。これにより、一般予約よりもお得感があるでしょう。
初期費用や管理費がかからないため、導入しやすいでしょう。
APF管理者サイトで出張者の利用状況を把握でき、コスト管理が可能です。また、利用実績をExcelにダウンロードできます。
一部の旅行関連サービスでは、一定の利用が見込めないと審査に通らない、申し込めるプランに制限が付く等のハードルがありますが、APFでは日本に住所がある法人であれば基本的に利用が可能となっています。
ANAのみの利用だと運航路線や時間帯に限りがありますが、コードシェア便も含めると世界中へアクセスが可能になります。そうした共同運航便も対象航空会社であれば、実績の対象となります。
APFでの予約は、通常の航空券手配の時と同様に個人に付与されるマイレージも加算されます。出張者個人の満足度を落とすことがないので、企業と出張者双方にとって利用する価値があります。
APFを利用するには法人の登録が必要です。利用条件や手順は以下の通りです。
①APF申込ページから必要情報を入力し、入会を申し込む。
②審査を通過するとAPFコードがメールで届く。
③登録手続き完了。
APFへ登録ができるのは、日本に住所のある企業に限定されています。
また、旅行会社、個人およびすでに対象航空会社と国際線定期便の利用に関わる契約を結んでいる企業は受付不可となる可能性があります。
ここまでANAの国内および海外のコーポレートサービスについて解説しました。いずれも初期費用や管理費用がかからず、お得に利用できるため導入しやすいでしょう。一方で出張管理や精算面では、ANA利用以外の出張とは別管理になってしまうという課題が残ります。BTM(ビジネストラベルマネジメント)サービスと併用することで解決することも可能なので、利用規模や出張ルールといった自社の運用に合わせた最適なサービスを検討してみてはいかがでしょうか。
JALのコーポレートサービスについては以下をご覧ください。
JALオンラインとは?JALの法人契約サービスの利用手順やプランについて解説