コロナ禍において空港での出入国に際し、新型コロナウイルスに関する陰性証明書やワクチン接種証明書の提出が求められることが増えています。証明書には検査法や受検時期、書式の指定があり、戸惑ってしまうこともあるかと思います。本記事では、出入国に必要な新型コロナウイルスに関する証明書について紹介します。
新型コロナウイルスに関する証明書は、主に以下の3種類です。
・PCR検査の陰性証明書
・抗原検査の陰性証明書
・ワクチン接種証明書
他にも新型コロナ回復証明書で代替する場合もありますが、基本的にはこの3種のいずれか、もしくは複数を提出することになります。それぞれの違いやポイントをみていきましょう。
PCR検査は、ウイルス等の遺伝子(DNA)を増幅させて検出する技術で、対象のウイルスが検査時点で体内に存在するかを調べる時に用いられます。
最も利用されることが多い検査証明書で、概ね入国の48〜72時間前までの受検を指定されます。
また、 鼻咽頭ぬぐい液(Nasopharyngeal Swab)や鼻腔ぬぐい液(Nasal Swab)、 唾液(Saliva)といった検体の採取方法があり、国によっては検体採取方法を指定している場合ももあるので注意しましょう。
抗原検査は、ウイルスの抗体を用いてウイルス特有のタンパク質(抗原)を検出する技術で、PCR検査と同様に対象のウイルスが検査時点で体内に存在するかを調べる時に用いられます。特別な検査機器も不要かつ短時間で結果が得られるという利便性がありますが、PCR検査よりもウイルスの検出率が劣るため、抗原検査の陰性証明書は無効としている場合もあります。
なお、抗原検査には抗原定性検査と抗原定量検査の2種類があります。「簡易」や「クイック(迅速)」でも可能とされている場合は、抗原定性検査を指していることもありますが、どちらの検査方法を求められているかはご自身で必ず確認してください。
新型コロナウイルスのワクチン接種者はPCR検査や抗原検査の陰性証明書が不要になったり、入国や滞在に関する制限が緩和されることが増えてきました。
ただし、ワクチンの接種回数が指定されていることもあるため、詳細は確認しましょう。
なお証明書には、「パスポート情報等を記載した海外用及び日本国内用の接種証明書」と「パスポート情報等の記載の無い日本国内用の接種証明書」の2種類があり、書面または電子版で交付されます。書面を希望する場合は、住民票のある市町村へ申請し、電子版を希望する場合はアプリをインストールする必要があります。
参考:新型コロナウイルス感染症 予防接種証明書について|厚生労働省
新型コロナウイルスに関連する証明書は、所定のルールが事細かに設定されています。証明書を取得する際は、以下を参考にしてください。
一部の国においては、指定言語での記載や所定のフォーマットへの記入が必須となっています。受診する医療機関で対応してもらえるかを確認しましょう。
渡航先の国が指定した医療機関での検査でないと証明書が無効になることがあります。
PCR検査や抗原検査にはいくつかの種類があります。医療機関によっては、特定の検査方法には対応していないこともあるので、検査を予約する前に確認しましょう。
PCR検査や抗原検査は、入国の直前に受ける必要があります。これらの検査後は、陰性証明書の発行までに数時間以上かかることがほとんどです。出国スケジュールに無理がないようにしてください。
また、出国と帰国の際に陰性証明書がそれぞれ必要となる場合があるので、現地での検査先も事前に調べておきましょう。
出入国の際に求められる新型コロナウイルスの検査・接種を表にまとめました。ただし、各国の感染状況や国籍、入国経路によって条件は変わるため、最新の情報収集を行ってください。
検査・接種 | PCR検査 | 抗原検査 | ワクチン接種 |
---|---|---|---|
検査・接種の時期 | 入国の24~72時間前 | 入国の24~72時間前 | 入国の約1ヶ月前 |
検査結果が出るのに必要な時間 | 数時間~1日 | 数十分 | – |
検査・接種の回数 | 1~2回 | 1回 | 2回以上 |
検体 | 鼻腔咽頭拭い液、 鼻腔拭い液、唾液 | 鼻腔咽頭拭い液、唾液 | – |
検査方法(検体)の指定 | 一部の国で有り | 一部の国で有り | – |
検査・接種の医療機関の指定 | 一部の国で有り | 無し | 無し |
証明書の発行・申請先 | 受診した医療機関 | 受診した医療機関 | 市町村の窓口またはアプリ |
出入国に必要な新型コロナウイルスの陰性証明書の種類について解説しました。陰性証明書や予防接種証明書は、海外出張に慣れている方にとっても、初めての検査や書類になります。証明書に不備があった場合は、いかなる理由があっても搭乗拒否や入国拒否になりかねないので慎重に手続きを行うようにしましょう。
PCR検査の受診方法については以下もご覧ください。