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ビザ要否一覧(日本国籍)
フィリピンへの渡航を予定している日本人ビジネスパーソンにとって、入国に必要な事前手続きはスムーズな出張の大きなカギとなります。従来は「One Health Pass」が使われていましたが、現在はそれに代わり「eTravel(イートラベル) 」が導入され、入国前にオンライン登録を行うことが義務付けられています 。
この eTravel は、フィリピンに到着するすべての渡航者が事前に入力する健康・渡航情報フォームであり、登録の有無によって入国審査時のスピードや対応が大きく変わります。初めての方はもちろん、短期出張や頻繁に往復する方にとっても、正しい理解と準備が欠かせません。
本記事では、フィリピン eTravel の基本概要から登録対象者、登録手順、注意点、さらにはビジネス渡航の観点から押さえておくべきポイントまで徹底的に解説します。
フィリピン渡航に必要な「eTravel」とは?
フィリピン入国に際して必須となっている「eTravel(イートラベル)」とは、渡航者が事前にオンライン上で入力・登録する入国管理用の電子フォームです。これはフィリピン政府が旅行者の基本情報、健康状況、滞在先などを把握するためのシステムで、従来の「One Health Pass」に代わり運用されています。
この制度は、すべての入国者(外国人・比人を問わず航空機利用者) に適用され、登録が完了していないと入国審査がスムーズに進まない、あるいは搭乗時にチェックインができないといったケースもあります。つまり、フィリピン渡航の大前提となる手続きといえます。
eTravel の特徴は以下の通りです。
完全オンライン登録 :スマートフォンやパソコンから専用サイトにアクセスして入力可能
無料で利用可能 :手数料は一切かからない
QRコードの発行 :登録完了後に自動発行される QRコードを入国時に提示
入国審査の効率化 :事前登録によって空港での待ち時間が短縮
特にビジネス渡航者にとっては、フライト直前に慌てて登録するのではなく、到着予定日の数日前に確実に入力しておくこと が重要です。これにより、余計なトラブルを回避し、到着後の商談や出張スケジュールを滞りなく進めることができます。
eTravel 登録が必要な対象者
フィリピンの「eTravel」は、基本的にフィリピンへ空路または海路で入国・出国するすべての渡航者 が対象になります。観光・ビジネスを問わず、日本からの短期出張者も必ず事前登録が必要です。改めて対象者をまとめます。
フィリピンに入国する全ての外国人旅行者 日本を含む海外からフィリピンに入る際には必須となります。ビジネス渡航者、観光客、家族訪問など目的を問わず登録が必要です。
フィリピン国籍者および永住者 海外からフィリピンに帰国するフィリピン人や、フィリピンに滞在権を持つ永住者も対象となります。
空路・海路の出入国者 空港からのフライトだけでなく、フェリーなど船便を利用する場合にも登録が義務付けられています。
一方で、国内移動(フィリピン国内線のフライト)では eTravel 登録は不要 です。あくまで「国際線による入国・出国」の場合に必要と覚えておきましょう。
なお、登録が未完了のまま空港に行くと、搭乗手続きや入国審査で余計な待ち時間が発生する場合があります。特にビジネス渡航では時間のロスが大きなリスクにつながるため、渡航前に必ずオンラインで登録を済ませること が重要です。
eTravel の登録方法
フィリピンの「eTravel」登録は、事前に公式ウェブサイトまたは専用アプリから入力するオンライン手続きです。ここでは、ビジネス渡航者向けに分かりやすく最新の登録方法をガイドします。
1. 公式サイトへアクセス
2. 「New Registration」「Register」など申請開始ボタンを選択
「Register」や「Create Account」などのボタンをクリック。
3. 渡航形態の選択
入国(Arrival)または出国(Departure)を選ぶ
4. 基本情報を入力
名前(パスポート記載通り/ローマ字)、生年月日、性別、国籍などを入力しましょう。
メールアドレスやパスポート番号を入力します。
5. 滞在・連絡先情報の登録
滞在国・現住所・滞在先情報(ホテル名、住所等)を登録します。
6. 渡航情報・フライト情報の入力
航空会社名、便名、到着日時などフライト情報を入力します。
7. 健康状態などの申告
最近の健康状態や症状、ワクチン接種歴などを選択・記入します。
8. 税関申告の入力
9. 入力内容の確認と同意
全ての入力内容を確認後、規約に同意して提出します。
10. QRコード取得・保存
入力完了後、専用のQRコードが発行されます。
発行されたQRコードは、入国時に提示することになるのでスクリーンショットやPDFで保存および印刷しておきましょう。
eTravelの登録に必要な情報・書類チェックリスト
フィリピンのeTravel登録に際して、円滑に手続きを進めるために事前に以下の情報や書類を揃えておくことが重要です。特にビジネスパーソンは短時間で正確に入力できるよう準備しておくと安心です。
必要な情報・書類
フィリピンのeTravel登録に際して、円滑に手続きを進めるために事前に以下の情報や書類を揃えておくことが重要です。特にビジネスパーソンは短時間で正確に入力できるよう準備しておくと安心です。
パスポート情報
パスポート番号
発行国
有効期限(渡航日から6か月以上の有効期間が必要)
航空券情報(往路・復路)
航空会社名
便名(フライトナンバー)
予定到着日・出発日
滞在先情報
ホテル名・住所(予約確認書があれば確認しやすい)
滞在先の電話番号(可能であれば)
連絡先情報
現住所(日本国内の住所)
電話番号
メールアドレス(登録完了案内の連絡先)
健康状態に関する自己申告情報
症状の有無(風邪や発熱、咳など)
ワクチン接種履歴(接種日など)
税関申告に関する情報
持ち込み品の申告(高額品や禁制品がある場合は詳細に)
eTravel の入力タイミングと注意点
フィリピンのeTravel登録は、フィリピン到着予定日の72時間前(3日前)から登録可能 です。これより前に入力しようとするとエラーが出るため注意が必要です。
入力タイミングのポイント
72時間前から登録可能:到着予定時刻の72時間以内に申請してください。
早すぎる登録は無効の可能性あり:早く登録しすぎると無効になることがあるため、72時間前より早く登録しないことが推奨されます。
出発前に必ず登録を済ませる:空港で搭乗手続き時や入国審査時に、eTravel登録済みのQRコード提示が必要となります。
フィリピン到着時の eTravel 手続きの流れ
フィリピンに到着後のeTravelに関連する手続きの流れはスムーズでシンプルですが、事前登録のQRコードを正しく提示し準備しておくことがカギとなります。以下は一般的な入国時の手順です。
到着後、入国審査(Immigration/Passport Control)へ移動
空港の案内表示「Immigration」や「Passport Control」を確認して、外国人用の列に並びます。
入国審査官にパスポートと搭乗券を提示
審査官にパスポート、搭乗券、場合によっては帰国便や次の渡航先の航空券を提出します。
この際に、「eTravel登録済み」のQRコードの提示を求められます。スマホ画面や印刷物で準備しておきましょう。
eTravel QRコードを提示
入国審査時、eTravelの申請で発行されたQRコードを提示します。
荷物受け取り
入国審査を終えたら、預けたスーツケースなどの荷物を受け取ります。
税関検査へ進む
税関通過時にも、eTravelで事前にオンライン税関申告を行っている場合は、QRコードの提示が求められることがあります。
問題がなければ、税関通過後に到着ロビーへ進み、入国完了となります。
よくあるトラブルと解決方法
フィリピンのeTravel登録でよく発生するトラブルとその対処法をまとめました。ビジネス渡航者が出発間際に慌てないよう、事前に知っておくと安心です。
eTravelが登録できない
考えられる原因
渡航予定日の72時間前より早くアクセスしている
入力情報の書式ミス(パスポート番号、フライト番号など)
サイトのアクセス集中による一時的なサーバーダウン
解決策
72時間前以降に再度トライする
入力情報を再確認し、正確に入力(スペースや大文字・小文字も要チェック)
ブラウザを変えてみる(ChromeやSafari推奨)
ネット環境を安定させて再試行
どうしても間に合わない場合は、日本の空港または現地のeTravel登録ブースで申請可能(時間に余裕なし、混雑注意)
eTravel申請後、QRコードが表示されない
考えられる原因
登録手続きが完了していない
ブラウザのポップアップブロックやセキュリティ設定による表示障害
登録後のQRコードページのロード失敗
解決策
登録完了のメッセージを再度確認する
別のブラウザでログインし、再表示を試みる
ブラウザのセキュリティ設定、ポップアップブロックを解除
登録完了メールにQRコードのリンクがある場合はそちらからアクセス
最悪の場合はスクリーンショットの保存を忘れない
eTravelの入力内容を誤った
解決策
入力後に内容をよく確認し誤りを見つけたら、登録完了前に修正を行う
登録完了後は原則修正不可のため、誤りがある場合は再登録が必要
新たに再登録し、最新のQRコードを取得し直す
以前の登録は無効扱いとなるので安心して再申請可能(ただし渡航72時間前ルールは厳守)
万一、入国時に登録内容と異なるとの指摘を受けた場合は、入国管理局で事情説明が必要になる可能性もあるため注意
フィリピンの入国最新情報と eTravel の今後
2025年現在、フィリピンの入国手続きは新型コロナウイルスの水際対策解除を経て、大幅に簡素化されています。日本国籍者は最大30日間の観光やビジネス目的の短期滞在であればビザ不要で渡航可能です。ただし、以下の基本条件は引き続き適用されます。
パスポートの有効期限は6か月以上が必要
30日以内の出国用航空券提示が必須
渡航72時間前からのeTravelオンライン登録が義務付けられている
ワクチン証明やPCR陰性証明の提示は不要
ビジネスパーソンへのアドバイス
頻繁にフィリピンを訪れるビジネス渡航者は、スマホアプリ「eGovPH」のインストールと登録を済ませておくと、渡航ごとの手続きがスムーズになります。また、渡航直前のルール変更やシステム更新も稀にあるため、最新情報は必ずフィリピン日本大使館や航空会社の公式発表で確認することが重要です。
eGovPH (App Store)
https://maintenance.mofa.gov.sa
フィリピン共和国大使館について
フィリピン共和国大使館
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電話番号:03-5562-1600
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