新型コロナウイルス感染症に伴う移動制限や出入国要件が緩和され、出張を再開する企業が増えてきました。再開にあたり、出張の運用方法を見直しを行う企業が増えていますが、見直し時の論点の1つとして挙がっているのが、出張情報の管理です。
本日は、出張者の安全管理がより一層求められる環境下でどういった情報をどのように管理するのか。また、デジタル化・DX化が進む中、出張情報はITを活用することでどのように管理できるかについて解説します。
そもそも出張情報はなぜ管理する必要があるのでしょうか。まずは出張関連情報を管理する目的について解説します。
なお、日本における出張管理の実態調査に関する報告書によると、データの活用方法として以下の傾向があるようです。
・出張費用規模が大きい企業ほど、「危機管理」「企業レート取得」「規程遵守率向上」のためのデータ活用を行っている
・出張費用規模が小さい企業ほど、データの「未利用」「未収集」「不明」とする回答が多い
出張費用は、販管費の中でも大きな割合を占める費用であり、キャッシュフローへの影響も大きいため、企業として随時把握する必要があります。
また、金額が大きいため、数パーセントの削減でも大きなインパクトを与えますが、宿泊費用の上限額などに関して妥当な金額を算定することは難しい作業といえます。
出張費用を把握することで、企業の財務への影響や旅費規程の見直しが可能になります。
現在、海外に出張する際は、新型コロナウイルスを考慮しないことはないでしょう。また、異常気象やテロ犯罪なども増えているため、出張者の安全管理がより一層重要になってきます。
御社では、例えば、海外で大きな台風が発生した場合に、そのエリアに出張者がいるかを瞬時に把握できるでしょうか?海外旅行保険による補償はもちろんのこと、出張者へのフォローアップのためにも出張関連情報の把握が必要になります。
出張に関する手配を出張者に任せている場合、航空券やホテルの選択はブラックボックス化します。その結果、同じ出張先にも関わらず、一人は8,000円のホテルを利用しているのに対し、もう一名が15,000円のホテルに宿泊するといったことも起きています。
選択したホテルの料金が規程内である以上、それ以上の追及はできませんが、前述の旅費規程の見直しなどを行うためにも、個々の出張者の利用金額は把握出来るに越したことはありません。
出張に関連する情報は、利用する移動手段・宿泊施設(ホテル)に関する情報やそれらに要した旅費関連の情報があります。また、現地の治安に関する情報など、出張に関連する情報も含めると、管理する情報は多岐に渡ります。ここでは出張に関連する情報を解説します。
出張にあたっては、出張申請を行っている企業が多いと思います。そして、出張申請書類を管理することで、出張者の渡航先や航空券、宿泊施設を把握する方法があります。
この方法は、新たな資料を作成する必要がないため、業務負荷という点では効率的な手法ですが、検索性がないため、必要な出張情報を探し出すのに手間を要するといった課題があります。
出張が一定数ある企業様にとって最もポピュラーな管理手法がエクセルによる管理ではないでしょうか。
出張者管理のための専用のエクセルを用意し、バックオフィスの方が出張者のスケジュールや宿泊施設を入力するケースが多いようです。
メリットとしては、出張者を可視化し、一覧化できる点にあります。一方で、出張申請とは別に入力するので二度手間になる、必要な情報が全て入っているわけではないので詳細を確認したいときにすぐに確認出来ない、といった課題があります。
最後は出張管理システムによる管理です。出張管理システムを活用して、システム内で手配を依頼することによって、自動的に出張情報が入力・蓄積されます。
管理される情報は、出張者の情報はもちろんのこと、航空券や宿泊施設の内容や費用まで多岐に渡ります。
このように必要な情報を網羅的かつ自動的に管理できるメリットがある一方で、必ずその出張システム上で予約しないと、データの一部が欠損してしまうといった課題があります。
上述で出張管理システムを活用した管理方法を解説しましたが、出張管理システムを活用すると、出張情報の管理に加えて、出張費用の分析や出張渡航先に関する情報の自動提供などが可能になる場合もあります。これらの情報は、出張者や管理者が取得するのは手間がかかり、出張管理システムを活用する大きなメリットの一つといえるでしょう。
出張管理システムについて詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。
冒頭でお伝えした通り、業務のDX化が進む中、出張業務も出張管理システムを活用することで業務効率化の推進が可能です。管理する出張件数にもよりますが、一つの管理手法として検討してみてはいかがでしょうか。