世界的に混乱を招いた新型コロナウイルスが終息に向かいつつある現在、国内外では出張の需要が戻って来ています。今回は普段あまり意識できていないSDGsの観点から出張を考えてみたいと思います。このコラムは3回に分けて紹介していきます!
SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略で、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。この目標は大きく17のゴール、さらに169のターゲットに分かれています。現在、世界では、貧困や紛争、気候変動による災害、感染症など、数多くの課題に直面しています。これらの危機から各国が話し合い課題を整理し、解決方法と具体的な目標を立てました。SDGsは、人類がこの地球で暮らし続けていくために、2030年までに達成すべき目標であり、全世界の人々が認識し取り組む必要があります。
17のゴールにはどのような内容が書かれているでしょうか。それぞれの目標を簡単にご紹介します。詳細は以下のリンクをご覧ください。
世界では6人に1人(3億5600万人)の子どもたちが、「極度にまずしい」暮らしをしています。この極度にまずしい生活をしている人々をなくそうと、開発途上国に対する資金調達を実施しています。
世界ではその日食べるものがない、明日以降も食べ物をえられるか分からない状態の人々がいます。飢えをなくし、誰もが一年中安全で栄養のある食料を、十分に手に入れられるようにすることを目標にし、世界の農産物の貿易のバランスを取ったり、現在の食料状況の情報収集をするなど様々な取り組みをしています。
アフリカ地域では、2人に1人の子どもが、かぜで肺炎になっても治療を受けられません。エイズ、結核、マラリア、熱帯病などの伝染病、汚れた水が原因で起こる病気など、開発途上国で大きな影響を及ぼす病気に対するワクチンや薬の開発を助ける取り組みをしています。
小学校に通えない子どもたちが世界中に多くいます。すべての子どもが、公平で質の高い教育を無料で受け、小学校と中学校を卒業できるように資金調達や環境整備を行っています。
すべての女性と女の子に対するあらゆる差別をなくすことを目標に、各国の法律に従って、女性も男性と同じ権利を持てるように、適切な政策や効果のある法律を作り、強化をしています。
世界では水道がない暮らしをしている人が20億人、トイレがなく道ばたや草むらなど屋外で用を足す人が4億9400万人もいます。この問題に対し、水やトイレに関する活動への国際協力を増やし、開発途上国がそれらに対応できるよう取り組みをしています。
世界では電力が使えない人々がいます。再生可能エネルギーやエネルギー効率などの研究を進め、その技術をみんなが使えるように投資しています。
開発途上国におけるGDP(国内総生産)を毎年7%継続させるために、それらの国への貿易の援助を増やしたりなどの工夫をしています。
世界では、約27億人の人々がインターネットを利用することができません。開発途上国における、持続可能でかつ災害にも強いしっかりとしたインフラの開発を進めています。
各国は所得の低いほうから計算して、40%の人々の所得が、国全体の平均を上回るようにして、そのペースを保つ政策をしています。
国や地域の開発の計画を強化して、都市部と郊外地域と農村部が、経済的、社会的、環境的に繋がるための支援をしています。
消費と生産の10年計画を実行し、先進国がリーダーとなり、開発途上国の開発の状況や対応力も考慮しながら、すべての国が実施しています。
気候変動への対応を、各国が、国内の政策や、戦略、計画に入れる取り組みをしています。
世界ではプラスチックゴミが年間900万〜1400万トン(2016年時点)、海に流れ出ています。このような問題の対策として、法的な枠組みを定めた国際法を実施して、海と海洋資源の保護、持続可能な利用を強化しています。
森林の保護や再植林など、森林の管理を進めるために資金調達をし、開発途上国が持続可能な森林の管理を進めるように取り組みます。
各国や国際的に、法律に従って物事を進め、すべての人が、平等に、争いを解決するための裁判所などの司法を利用できるようにする取り組みを実施しています。
各国と特に開発途上国でのSDGsの達成を支援するために、世界的なパートナーシップ(協力関係)を強化し、知識、専門知識、技術や資金を集めて共有し合う体制を取っています。
持続可能な社会を世界で実現させるためには、各国の政府だけでなく、企業や個人の取り組みが大切です。身近にできる取り組みとしてあげられるものが、地球温暖化対策です。
日本は世界で5番目にCO2排出量が多い国です。(2022年データ)上位国は大国が占めていますが、日本が5位に位置していることはご存知でしょうか。日本の生活環境の水準は都会も田舎も十分にインフラが整備されていてとても豊かですが、その分、企業や個人が簡単にエネルギーを使用できる環境にあります。ランキングの詳細は以下のリンクをご覧ください。
GLOBAL NOTE|世界の二酸化炭素(CO2)排出量 国別ランキング・推移(EI)
・1位:中国
・2位:アメリカ
・3位:インド
・4位:ロシア
・5位:日本
CO2排出量の削減の取り組みは、SDGsの観点からみると以下のゴールに該当します。上位国が積極的に取り組むことで、世界で掲げた大きな目標の達成に繋がっていきます。
今回は、SDGsに関する基本と、私達が身近にできる項目をご紹介しました!次回は「企業や個人のCO2削減への具体的な取り組み」にスポットをあててご紹介します。ご自身の職場や生活の中でできる取り組みを探してみましょう。