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イギリスへの渡航を予定されている日本人の皆様にとって、2025年から大きく変わる入国ルールへの対応は必須です。特に、これまでビザ免除で渡航可能だった観光やビジネス目的の短期滞在でも、ETA(Electronic Travel Authorisation)という新たな電子渡航認証の取得が義務化されました。ETAは、オンラインで簡単に申請でき、承認されると渡航がスムーズになる仕組みです。
本記事では、ETAの概要から具体的な申請手順、対象となる滞在目的やビザが必要となるケース、さらには入国審査の流れまで、日本からイギリスへ渡航する方が知っておくべき最新情報をわかりやすく解説します。2025年の渡航準備を万全に整えるために、ぜひ最後までご覧ください。
もくじ
2025年1月8日以降、日本国籍の方がイギリスへ入国する際は「ビザ免除」のままですが、事前に電子渡航認証(ETA: Electronic Travel Authorisation)の取得が新たに必須になりました。従来のようにパスポートだけで入国できるわけではなく、ETAのオンライン申請と承認を済ませておかないとイギリス行きの飛行機に搭乗することもできません。ETAは6か月未満の短期滞在(観光・商用・短期語学留学や親族訪問など)で必要となります。
| 日本国籍者が6ヶ月未満の短期滞在なら原則ビザ不要。ただし2025年1月8日からETA申請が義務化されています。 | 
イギリス入国審査では渡航目的や滞在予定、宿泊先、帰国便情報などについて聞かれることが一般的です。以下はよくある質問例です:
英語が苦手な場合も、落ち着いて正直に答えることが大切です。入国目的や帰国予定日、宿泊先の情報を事前に準備しておきましょう。
ETA(Electronic Travel Authorisation、電子渡航認証)は、イギリスへの短期滞在者向けに導入された事前オンライン渡航認証システムです。2025年1月8日から、日本を含むビザ免除プログラム参加国の市民がイギリスへ6か月以内の観光、商用、短期留学などの目的で渡航する場合、渡航前にETAの申請と承認を必須とされました。ETAに申請・承認されると、パスポートと電子的に紐づけられ、入国審査が迅速化される仕組みです。申請はオンラインで完結し、通常3営業日以内に承認結果が通知されます。
ETAの導入は、アメリカのESTAやカナダのeTA、オーストラリアのETAに続くもので、入国管理の効率化とセキュリティ強化を目的としています。
ETAの対象は日本を含む約49か国のビザ免除国の渡航者です。ただし、渡航目的によってはビザが必要となるケースもあります。ETAの取得のみ(ビザが不要となる)で入国が可能な渡航目的は下記のとおりです。
なお、6ヶ月を超える留学ビザや就労ビザ、ワーキングホリデーなどのビザを持つ場合は、ETAの申請は不要です。
ETAはアメリカのESTA(Electronic System for Travel Authorisation)やカナダのeTA(Electronic Travel Authorization)と同様に、渡航前にオンラインで事前認証を受ける制度ですが、国ごとに独自の申請システムと審査基準があります。
ETA導入により、イギリスの入国管理はより安全かつ効率的になり、渡航者にとってもスムーズな入国が期待されています。
2025年1月8日以降、日本国籍者がイギリスへ6か月未満の滞在をする際は、観光、商用(出張・商談・視察など)、短期留学、親族・友人訪問、さらにはイギリス経由の乗り継ぎ(トランジット)であっても、ETAの申請が必須となります。未就学児や乳幼児を含む全ての渡航者が対象です。申請がない場合、飛行機への搭乗も認められず、入国できなくなる可能性があります。
これまで日本人は6か月未満の滞在ならETAの申請不要で、パスポートだけで渡航が可能でしたが、2025年1月8日にETA取得が義務化されました。また、乗り継ぎに関しても、入国審査を通過しない場合はETA不要でしたが、2025年1月17日以降はイギリスでの入国が必要な乗り継ぎにはETA申請が必須です。申請料は当初10ポンドでしたが、2025年4月9日以降は16ポンドに値上げされています。
以下に該当する渡航の場合、ETAの申請は不要です。

ETA(Electronic Travel Authorisation)の申請は、スマートフォンアプリまたはイギリス政府公式サイトから行います。申請時には、以下の準備が必要です。なお、申請は英語で行う必要があり、自動翻訳機能の使用は推奨されません。
| 必要な準備 | 補足 | 
|---|---|
| 有効なパスポート(ICチップ付き) | 申請時にパスポート情報の入力および顔写真のアップロードが求められます。 | 
| Eメールアドレス | 申請受付および承認通知がメールで届きます。 | 
| クレジットカードまたはデビットカード | 申請料は16ポンド(2025年4月9日以降の料金)で、Apple PayやGoogle Payにも対応しています。 | 
| 滞在先の住所・連絡先(該当者のみ) | ホテルや親族宅などの詳細を入力します。 | 
ETA申請の流れは、ウェブまたはアプリどちらでも共通です。政府推奨アプリ「UK ETA」はAppleおよびGoogle Playストアでダウンロード可能です。
1. アクセスと認証
イギリス政府公式サイト(GOV.UK)またはアプリからアクセスし、Eメールアドレス認証を行います。
2. パスポート情報の入力と本人確認
パスポート表面の情報を入力し、パスポート写真ページのアップロードを行います。アプリ利用の場合はスマートフォンでのスキャンが可能です。
3. 顔写真のアップロード
最近撮影したカラー顔写真をアップロードします。背景は白または薄色のものを選び、画像サイズ・解像度に注意してください。
4. 渡航目的と滞在先情報の入力
観光、商用、親族訪問などの滞在目的を選択し、滞在先住所・緊急連絡先を入力します。
5. 支払いと申請完了
申請内容確認後、クレジットカードや電子決済サービスで16ポンドを支払い、申請を送信します。支払い完了後の返金は不可です。
6. 審査・承認通知
通常、3営業日以内に審査結果がメールで届きます。承認されたETAは自動的にパスポート番号に紐づけられ、印刷の必要はありません。
なお、申請方法はイギリスの公式サイトがYoutubeにアップロードしているのでそちらをご覧ください。
申請から承認までは通常1〜3営業日以内ですが、不備があると時間がかかる場合があります。イギリス政府および航空会社は、出発の少なくとも3日前までの申請を推奨しています。なお、ETAの有効期間は2年間またはパスポート有効期限までのいずれか短い期間で、その間は複数回の入国が可能です。
ETA申請でよくあるエラーや拒否を避けるために、以下の点に注意しましょう。
申請内容に不備がなければ、ETA取得は非常にスムーズです。早めの申請と正確な情報入力が、安心のイギリス渡航への第一歩です。
イギリスでは、滞在目的と期間に応じて「短期ビザ(Short-term visa)」と「長期ビザ(Long-term visa)」が区別されています。
主に6か月を超え11か月以内の語学留学や短期滞在などに利用されるもので、就労や延長は認められません。代表的なものに「Short-term Study Visa(短期学生ビザ)」があります。
就労・学業・駐在・家族滞在などを目的とする1年以上の滞在用ビザで、延長や永住権への切り替えも可能です。代表的なものに「Skilled Worker Visa(技能労働者ビザ)」や「Student Visa(学生ビザ)」があります。
なお、2025年1月からすべてのビザは電子化(eVisa)され、従来のBRPカード(在留許可カード)は廃止されています。
| 分類 | ビザ名称 | 概要 | 
|---|---|---|
| 就労系 | Skilled Worker Visa | イギリス政府が認可したスポンサー雇用主のもとで専門職として就労する際に必要。最長5年、延長可。 | 
| 就労系 | Health and Care Worker Visa | 医療・介護分野での就労を目的としたビザ。医師・看護師・介護士などが対象。 | 
| 就労系 | Global Talent Visa | 研究・芸術・科学・デジタル技術分野で卓越した実績を持つ人材向け。推薦状が必要。 | 
| 就労系 | Innovator Founder Visa | 承認団体に認められたビジネスを立ち上げるための起業者ビザ。 | 
| 留学系 | Short-term Study Visa | 6か月を超え最大11か月の語学留学向け。就労不可。申請料214ポンド。 | 
| 留学系 | Student Visa | 大学・専門学校など長期留学向け。滞在は最大5年間。週20時間まで就労可能。申請料524ポンド。 | 
| 留学系 | Youth Mobility Scheme (YMS) | ワーキングホリデー制度。18〜30歳の日本人対象で、最長2年滞在・就労可。 | 
| 家族帯同系 | Family Visa | イギリスに在住する配偶者・パートナー・子供と家族滞在するためのビザ。 | 
| 駐在・転勤系 | Senior or Specialist Worker Visa | 企業内でロンドンなどに転勤する際に必要なビザ(企業内転勤ビザ)。 | 
これらのビザはすべてオンライン申請に対応しており、在日英国ビザ申請センター(東京・大阪)で生体認証を行います。
ビザの種類により必要書類は異なりますが、共通して以下の書類が求められます。
申請内容に不備がなければ、イギリスビザの承認は比較的スムーズに進みます。出発から逆算して1〜2か月前の申請が安全とされています。
イギリス到着後は空港内の案内表示に従い、入国審査場(Immigration)へ向かいます。日本国籍の方は10歳以上であれば、自動化ゲート(eGate)を利用できる空港が多く、該当者は有人カウンターへ並ばずに入国が可能です。ただし、10歳以上17歳未満は大人の同伴が必要なので気を付けましょう。目的やビザの種類によっては、従来通り有人ブースでの審査が必要になる場合もあります。クリエイティブワーカー(短期就労)や特定の留学ビザを利用している場合などが該当します。
eGateまたは有人ブースでパスポートを提示し、ETA(電子渡航認証)やビザ情報がシステムで自動的に確認されます。質問がある場合は、入国審査官が理由や滞在目的、帰国航空券の有無などを口頭で確認することもあります。
イギリスの入国審査でよく確認を求められる書類は以下のとおりです。
基本的にはパスポートとETAだけで入国が可能ですが、内容確認や滞在目的の詳細説明を求められることがあるため、補助書類は常備しましょう。
ロンドン・ヒースロー空港などイギリスの主要空港では、10歳以上の日本国籍の方は自動化ゲート(eGate)を利用できます。手順は以下の通りです。
eGateを利用できない場合(10歳未満、特定ビザ保持者、指示があった場合など)は、有人審査カウンターへ進みましょう。eGateでの手続きは数分で完了し、入国審査の待ち時間短縮に役立ちます。
ETAの承認は通常、申請から1〜3営業日で完了しますが、申請内容に不備があったり、システムの混雑で遅延が発生する場合もあります。もし、渡航予定日の3日前を切っても承認が届かない場合は、以下を試みてください。
早めの申請と、申請時のメールアドレスの誤入力に注意することが重要です。
イギリスで空港のトランジットエリアを出て入国審査を通る場合は、ETAの申請が必須です。例えば、ヒースロー空港で乗り継ぎ時間が長く空港内を一旦出る場合や、別の空港へ国内線で移動する場合はETAが必要になります。
一方、イギリスに入国せず乗り継ぎエリア内で待機するだけ、いわゆる「空港トランジット」ならETAは不要です。ただし、このケースは例外的で、航空会社や空港スタッフの指示に従うことが求められます。
ETAは個人単位で申請が必要です。家族で渡航する場合、子供を含め全員分のETAを別々に申請しなければなりません。未成年者でも保護者が代わりに申請できます。
パスポート番号ごとに紐づくため、グループ申請はできません。申請情報の正確性を保つことが重要です。
ETAは「6か月以内の短期滞在用」であり、滞在延長やビザへの切り替えは認められていません。もしイギリスで長期滞在や就労・留学などを希望する場合は、渡航前に該当するビザを取得する必要があります。
滞在中にETAからビザへの切り替えを試みることはできないため、計画段階で適切なビザ申請を済ませることが重要です。
これまでの内容を踏まえ、日本国籍の方がイギリスに入国する際のポイントを整理します。
イギリス渡航前にチェックしておきたい事項をリスト化しました。イギリスへの出張がある方は是非ご覧ください。
| チェック項目 | 詳細 | 
|---|---|
| パスポートの有効期限確認 | 出国時点で十分な有効期限が必要 | 
| ETAのオンライン申請 | 出発の3日前までには申請し、承認メールを必ず確認 | 
| 滞在目的の書類準備 | 旅行日程、宿泊先予約証明、商用招待状など | 
| 復路航空券(帰国便)を確認 | 入国審査で提示を求められることが多い | 
| eGate利用準備 | 10歳以上なら利用可能。申請時のパスポート持参必須 | 
| 長期滞在・就労の場合のビザ申請 | 渡航前に該当ビザ取得、滞在延長・変更は不可 | 
| 子供・家族のETA申請 | 全員分別々に申請。未成年は保護者が代行可能 | 
| 訪問時の簡単な英語質問の準備 | 滞在目的・滞在先・帰国便などの英語回答例を用意 | 
これらのポイントを踏まえて、2025年以降の日本人のイギリス渡航はETAの早期取得と滞在目的に応じたビザの準備が鍵となります。正確な情報入力と準備がスムーズな渡航のポイントです。
駐日英国大使館
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