もくじ
チリは南米屈指の経済安定性を誇り、鉱業、エネルギー、農水産業などの分野で日本企業との接点が非常に多い国です。しかし、日本からは地球の裏側に位置するため、移動時間は最短でも25〜30時間を要します。
円滑なビジネスを遂行するためには、現地の地理的特性と入国要件を事前に正確に把握しておくことが不可欠です。
日本のビジネスパーソンが訪れる可能性の高い主要都市と、その玄関口となる空港は以下の通りです。
| 都市名 | 特徴 | 主要空港 |
| サンティアゴ | チリの首都であり、経済・政治の中心地。多くの日本企業が拠点を置く。 | アーティトゥロ・メリノ・ベニテス国際空港 (SCL) |
| アントファガスタ | 北部に位置する「銅の都」。鉱業関連の視察や商談で頻繁に利用される。 | アンドレス・サベージャ・ガルベス国際空港 (ANF) |
| コンセプシオン | 中南部の工業都市。林業や製紙業、製造業の拠点。 | カリエル・スール国際空港 (CCP) |
【ポイント】 日本からの直行便はありません。
一般的に米国(ロサンゼルス、ダラス、ヒューストンなど)やカナダ、または欧州・中東経由での乗り継ぎとなります。
米国の空港を経由する場合、短時間のトランジットであっても米国入国扱いとなるため、ESTAの取得が必須である点に注意してください。
チリ入国に際して、日本国籍の出張者が確認しておくべき基本要件は以下の通りです。
パスポートの有効期限
チリは日本との間に査証免除協定を結んでおり、一般的な短期ビジネス出張であれば手続きは非常に簡略化されています。ただし、滞在期間や現地での活動内容によっては、事前にオンライン申請が必要な「居住ビザ」の対象となるため注意が必要です。
日本国籍の出張者が、商談、市場調査、会議出席、アフターサービス(無償)などの目的で渡航する場合、ビザ(査証)は不要です。
滞在許可日数: 最大90日間
条件:
入国時の証明: 入国審査時に「PDI(入国許可証)」という感熱紙が発行されます。これが滞在許可の証明となるため、紛失しないよう保管してください。
注意: 日本国籍者の観光・商用目的での無査証滞在は、原則「90日以内」が適用されます。
現地での報酬が発生する場合や、長期間(90日超)の滞在が見込まれる場合は、事前に一時居住ビザ(Residencia Temporal)の取得が必要です。2022年の新移民法施行により、手続きはすべてオンラインプラットフォーム(SERMIG)経由に集約されました。
主な区分は以下の通りです。
| ビザの区分 | 対象となるケース | 特徴 |
| 一時居住ビザ (就労目的) | 現地法人と雇用契約を結ぶ駐在員や長期技術者。 | 有効期間は最大2年。更新や永住権申請への移行が可能です。 |
| ビジネス居住許可 | チリ国内に投資を行っている、または定期的に商用で入国する経営幹部。 | 複数回の入国を前提とした管理職向けの許可です。 |
| 特定労働許可 | 短期間(90日以内)であっても、現地で報酬を得る実務作業者。 | いわゆる「短期就労許可」。無査証での入国後に現地で申請することも可能ですが、事前確認を推奨します。 |
チリのビザ規定は比較的頻繁にアップデートされます。特に新移民法の適用後は運用が流動的なため、必ず以下の公式情報を確認してください。
在東京チリ共和国総領事館
チリ内務省 移民庁 (Servicio Nacional de Migraciones – SERMIG)
在チリ日本国大使館
チリへの渡航は、移動時間や時差(日本と12〜13時間)の負担が大きく、現地での書類不備はビジネスの致命的な遅延に繋がります。
出発の2週間前までには以下の項目を完了させておきましょう。
個人で準備し、常に携帯すべき項目です。
パスポート(有効期限の確認)
ESTA(米国経由の場合)または eTA(カナダ経由の場合)
PDI(入国許可証)保存用のフォルダ
英文の海外旅行保険付帯証明書
常備薬と英文の薬剤証明書
変換プラグ(CタイプまたはLタイプ)
会社のバックオフィス側で確認・手配すべき項目です。
ホテル予約と「IVA(付加価値税)免税」の確認
海外危機管理サービスの登録
通信環境(レンタルWi-Fi / 海外用SIM / ローミング)の手配
緊急連絡網の整備

サンティアゴのアーティトゥロ・メリノ・ベニテス国際空港(SCL)に到着してからの流れは、大きく分けて以下の4ステップです。
到着後、まずは「All Passports(外国人用)」の列に並びます。
提示するもの: パスポート
発行されるもの:PDI(入国許可証)
掲示板で搭乗便のターンテーブルを確認し、荷物を受け取ります。
チリ入国の最大の難所が、この「検疫(SAG)」です。2025年現在、紙の申告書は廃止されており、オンラインでの事前申告が標準となっています。
デジタル申告サイト: SAG-Aduana 申告フォーム
申告の基準:
申告(QRコードの提示)が終わると、すべての手荷物(機内持ち込み・預け荷物両方)をX線検査機に通し、通過後に到着ロビーとなります。
サンティアゴ空港から市内中心部までは車で約30〜40分です。ビジネス利用において推奨される順に紹介します。
| 手段 | 特徴 | 料金目安 (CLP) |
| 公式タクシー (黒と黄) | 到着ロビー内のカウンターで先払い制。安全性が高い。 | $25,000 – $35,000 |
| 送迎シャトル (Transvip等) | 乗り合いまたは専有。ロビーのカウンターで予約可能。 | $10,000 – $30,000 |
| 配車アプリ (Uber / Cabify) | 非常に普及しているが、空港での乗り場が指定されているため慣れが必要。 | $15,000 – $25,000 |
到着ロビーで「Taxi?」と声をかけてくる非公式な客引き(いわゆる白タク)は、トラブルの元となるため絶対に利用しないでください。必ずロビー内の正規カウンターで手配を行いましょう。
チリでのビジネスを円滑に進めるためには、プロフェッショナルな外見(Formality)と、信頼関係を築くための「スモールトーク」のバランスが重要です。
日本と大きく異なるのが食事のリズムです。会食をセットする際は以下の時間を意識してください。
| 食事 | 時間帯 | 特徴 |
| 朝食 (Desayuno) | 7:00 – 9:00 | ホテルの「ビジネス・ブレックファスト」も一般的。 |
| 昼食 (Almuerzo) | 13:30 – 15:30 | ビジネスにおいて最も重要な会食。2時間ほどかけることも多い。 |
| オンセ (Once) | 18:30 – 20:00 | チリ独自の「お茶の時間」。夕食代わりにする人も多い。 |
| 夕食 (Cena) | 21:00以降 | レストランが賑わい始めるのは20時過ぎ。夜の会食は遅いスタートが基本。 |
チリは南米では比較的安全とされていますが、近年はサンティアゴ等の都市部でスリやひったくりが増加しています。
チリを離れる際の手続きは比較的スムーズですが、入国時に受け取った「PDI(入国許可証)」の有無が鍵となります。
チェックイン: 航空会社のカウンターで手続きを行います。
手荷物検査: 保安検査場を通過します。
出国審査(Immigration):
万が一、滞在中にPDIを紛失してしまった場合は、空港に向かう前に再発行手続きを行う必要があります。
無査証(観光・短期商用)での滞在期限は90日です。
正確で最新の情報を得るために、以下の公式サイトをブックマークしておくことを推奨します。