資料ダウンロード(無料)
ログイン
【完全版】フィジー共和国出張ガイド|ビザ要件から入国手続き、ホテル相場まで徹底解説
【完全版】フィジー共和国出張ガイド|ビザ要件から入国手続き、ホテル相場まで徹底解説

フィジー共和国の概要

フィジー共和国は南太平洋のハブとして機能しており、近年では観光だけでなく、インフラ整備や海洋資源、環境ビジネスなどの分野で日本企業との接点が増えています。ビジネス目的で渡航する場合、単なる観光とは異なる手続きや知識が求められます。まずは、出張の拠点となる都市の特性と、渡航の前提条件となる基本情報を整理します。

ビジネス渡航で想定される主な都市・空港(ドバイ、アブダビなど)​

フィジーでのビジネス活動において、中心となるのはビチレブ島に位置する「ナンディ」と「スバ」の二大都市です。

空の玄関口となるのは、ビチレブ島西部に位置するナンディ国際空港(NAN)です。日本からの直行便や国際線の多くはこの空港に発着するため、フィジー出張の起点となります。ナンディ周辺は観光開発が進んでいるだけでなく、物流や商業の拠点としても重要です。

一方で、フィジーの首都であり行政・政治の中心地であるスバは、島の東側に位置しています。政府機関への訪問や外資系企業との商談が行われる場合は、スバでの滞在がメインとなります。ナンディからスバまでは車で約3時間から4時間ほど要するため、スケジュールに余裕を持たせることが肝要です。また、ナンディからスバ近郊のナウソリ国際空港への国内線を利用するルートも、効率的な移動手段として一般的です。

出張者が事前に押さえるべきポイント(ビザ、パスポート、有効期限など)​

フィジーへビジネス目的で入国する際は、事前の書類準備に細心の注意を払う必要があります。まずパスポートについては、フィジー入国時から数えて「6ヶ月以上の有効期間」が残っていることが必須条件となります。有効期限が迫っている場合は、渡航が決まった段階で速やかに更新手続きを行うよう、企業の管理者は出張者に徹底してください。

また、日本国籍者が短期の商談や会議出席などの目的で入国する場合、4ヶ月以内の滞在であれば入国時に「ビジネスビザ(Business Visa)」が付与される仕組みとなっています。ただし、これには単なる観光目的とは異なる証明書類が必要です。具体的には、フィジー国内の受入先企業からの招待状や、日本側の所属企業が発行する派遣状、そして往復の航空券の提示が求められます。

特に注意すべき点は、入国審査官に対して「どのような業務を、どの程度の期間行うのか」を明確に説明できる準備をしておくことです。準備不足により、本来不要な就労許可(Work Permit)の取得を求められるなどのトラブルを避けるためにも、最新の入国条件を事前に確認し、必要書類を漏れなく携行することが、スムーズなビジネス渡航の第一歩となります。

日本人出張者のビザ要件

フィジーへのビジネス渡航を計画する際、最も留意すべきは滞在期間と業務内容に応じた適切な許可の取得です。日本国籍者は多くのケースで入国時のビザ免除措置を受けられますが、これはあくまで短期の活動に限られた特例であることを理解しておく必要があります。

短期商用(30日以内)のビザ要否と条件(ビザ免除・滞在許可日数)​

日本国籍者が商談、市場調査、会議への出席、あるいは専門的なコンサルティングといった「短期商用」の目的でフィジーに渡航する場合、事前に日本で査証(ビザ)を申請する必要はありません。フィジー政府は日本を含む一部の国に対してビザ免除措置を講じており、入国審査時にパスポートと必要書類を提示することで、最大4ヶ月までの滞在許可が付与されます。

ただし、ビジネス目的での入国には、観光とは異なる条件が課せられます。入国審査官からは、フィジー国内の受入企業からの「招待状」や、日本側の所属企業が発行する「出張証明書(派遣状)」の提示を求められることが一般的です。これらの書類には、滞在目的、期間、および滞在費用の負担元が明記されている必要があります。また、出張者は4ヶ月までの滞在が可能ではあるものの、実際の入国許可日数は帰国の航空券や業務の予定に合わせて個別に判断されるため、余裕を持ったスケジュール提示が推奨されます。

30日超・就業目的・駐在の場合に必要なビザの種類(Residence Visa 等)の概要​

滞在が長期にわたる場合や、フィジー国内で報酬を得る「就業」を伴う場合は、前述のビザ免除措置の枠組みを超え、適切な就労許可(Work Permit)を取得しなければなりません。一般的に、1年以内の短期間のプロジェクトや技術指導を目的とする場合は「短期就労許可(Short Term Work Permit)」が適用されます。これに対し、現地の法人に駐在する場合や、長期の契約に基づく就労には、通常3年間の有効期限を持つ「長期就労許可(Long Term Work Permit)」の申請が必要となります。

これらの許可申請は、出張者本人が現地に到着してから行うのではなく、原則として渡航前にフィジー入国管理局に対して行う必要があります。特に長期の就労許可においては、その職務にフィジー人を雇用できなかった理由を証明する「労働市場テスト」の結果や、犯罪経歴証明書、健康診断書の提出が求められるなど、手続きが非常に煩雑です。企業の管理者は、現地での活動が単なる「商談」の範囲を逸脱し「実務」や「就労」に該当しないかを事前に精査し、必要であれば数ヶ月前からの準備を開始することが不可欠です。

ビザ情報を確認すべき公式窓口

フィジーの入国規定やビザ要件は、現地の社会情勢や政策変更に伴い、予告なく更新されることがあります。確実な情報を入手するためには、まず東京都港区にある「駐日フィジー共和国大使館」の公式情報を確認することが最優先となります。同大使館のウェブサイトや窓口では、日本国籍者に適用される最新の査証ルールや、申請に必要な書類のテンプレートを確認することが可能です。

また、現地の受け入れ先企業との調整や、より詳細な法規制の確認が必要な場合には、フィジー政府の「入国管理局(Department of Immigration)」の公式サイトを参照、あるいは現地から問い合わせを行うのが確実です。渡航直前には、外務省の「海外安全ホームページ」を通じて、ビザ情報のみならず治安状況や感染症対策、入国制限に関する最新のアドバイスを一読しておくことも、ビジネスのリスク管理として重要です。

渡航前チェックリスト(企業・出張者向け)

フィジー入国時には厳格な書類審査が行われるケースがあるため、出張者は物理的な準備だけでなく、渡航の正当性を証明する論理的な準備も求められます。また、企業側は万が一の事態に備えた社内フローの再確認を行う必要があります。

パスポート残存有効期間・空白ページなどの必須条件​

まず出張者が最優先で確認すべきは、パスポートの有効期限です。フィジー入国時には、パスポートに「6ヶ月以上の有効期間」が残っていることが絶対条件となります。この期間が不足している場合、日本での搭乗手続きの段階で拒否されるリスクがあるため、余裕を持って更新手続きを済ませておかなければなりません。

加えて、入国スタンプや査証(ビザ)を貼付するための「空白ページ」についても注意が必要です。フィジーの入国審査では査証欄に十分な余白があることが求められるため、頻繁に海外出張を行う方は、残りのページ数を確認し、必要に応じて増補や切替発行を検討してください。また、万が一の紛失に備えて、パスポートのコピーや顔写真の予備、および身分証明書の控えをデジタルデータと紙の両方で携行しておくことが、危機管理の観点から推奨されます。

渡航目的別に必要になり得る書類(招へい状、在職証明、往復航空券、ホテル予約など)​

ビジネス目的での入国をスムーズにするためには、滞在の目的と身分を客観的に証明する書類の準備が欠かせません。具体的には、フィジー側の受入企業や団体が発行する「招へい状(Invitation Letter)」を必ず用意し、そこには訪問目的、滞在期間、現地での活動内容を明記してもらう必要があります。これと対になる形で、日本側の所属企業が発行する「在職証明書」や「出張命令書」も英文で準備しておくと、入国審査官からの疑義を晴らす強力な証拠となります。

さらに、フィジー入国管理当局は「不法残留の意思がないこと」を重視するため、確定済みの「往復航空券(eチケット控え)」の提示が必須です。あわせて、滞在期間中の宿泊先が確保されていることを証明する「ホテル予約確認書」も印刷して持参してください。これらの書類が不透明な場合、ビジネスビザの付与が拒否されたり、入国が認められなかったりする恐れがあるため、すべての予約と証明書を英語で揃えておくことが肝要です。

企業側が確認しておくべき社内手続き・規程(出張規程、危機管理・保険など)​

企業側の管理者においては、出張者が現地で安全かつ効率的に活動できるよう、社内規程の適用範囲を再点検する必要があります。特にフィジーは医療費が高額になるケースや、高度な治療のために近隣国(オーストラリアやニュージーランド)への移送が必要になる可能性があるため、海外旅行保険の補償内容が十分であるかを確認してください。法人カードに付帯する保険だけでは不足する場合、別途ビジネス渡航向けの包括保険に加入することが望ましい対応です。

また、現地の治安情勢や自然災害発生時の連絡体制についても、事前に「緊急連絡フロー」を策定し、出張者と共有しておくべきです。フィジーではサイクロンなどの気象リスクも考慮する必要があるため、安否確認システムの導入や、外務省が提供する「たびレジ」への登録を社内ルールとして義務付けることも検討してください。こうした企業側の徹底した管理体制が、出張者の心理的な安心感を生み、ビジネスの成果を最大化させる基盤となります。

フィジー共和国入国手続きの流れ(到着空港での動き方)

フィジー共和国入国手続きの流れ(到着空港での動き方)

ナンディ国際空港に到着後、まず直面するのが入国審査と検疫・税関です。フィジーは南太平洋の生態系を守るために動植物の検疫が非常に厳しく、またビジネス目的の入国に対しては滞在の正当性を詳しく問われることがあります。

入国審査(Immigration)での流れと注意点​

機内で配布される入国カードに必要事項を記入し、降機後は「All Passports」あるいは「Foreign Passports」の列に並びます。ビジネス出張者の場合、入国審査官から渡航目的を問われた際に「Business」と明確に回答することが求められます。ここで重要なのは、口頭での説明を補足するエビデンスの提示です。事前に準備した英文の招待状や企業からの派遣状、往復の航空券控え、宿泊先の予約証明書を即座に提示できるように準備しておきましょう。

日本国籍者の場合、短期のビジネスであればその場で「ビジネス・ビジター・パーミット」が付与されますが、滞在日数は審査官の判断に委ねられます。提示した帰国便の日程よりも短い期間しか許可されなかった場合、その後の業務に支障をきたすため、許可された滞在期限がパスポートのスタンプに正しく記載されているか、その場で必ず確認する習慣をつけてください。

荷物受け取り・税関申告(多額現金・申告品がある場合のポイント)​

荷物を受け取った後に待ち受ける税関・検疫は、フィジー入国において最も注意を要するステージです。フィジーは食品の持ち込みに対して非常に厳格であり、肉製品、卵、種子、生鮮食品などは原則として禁止されています。日本から持参したお菓子やフリーズドライ食品、調味料などがある場合は、たとえ少量であっても入国カードの「Food」欄に必ずチェックを入れ、正直に申告しなければなりません。申告せずに発見された場合、多額の即時罰金が科されるリスクがあります。

また、通貨の持ち込みについても規定があります。1万フィジードル(または相当額の外貨)以上の現金や有価証券を所持して入国する場合は、国境通貨報告書(Border Currency Reporting form)による申告が義務付けられています。ビジネス出張ではプロジェクト費用として現金を携行するケースもありますが、申告を怠ると没収や処罰の対象となるため、企業の管理者は出張者に対し、多額の現金携行を控えるか、あるいは適切な申告を行うよう事前に指導しておくことが賢明です。

入国時トラブル(オーバーステイ、ビザ条件不一致など)を避けるための注意事項​

スムーズな入国を妨げる最大の要因は、渡航目的と所持している書類の不一致です。例えば、実際には数ヶ月にわたる現地工事や技術指導といった「就労」に近い活動を行うにもかかわらず、単なる「商談」として入国を試みると、審査官に活動実態を疑われ、入国拒否や強制送還(デポテーション)に発展する恐れがあります。企業は出張者の活動内容が「短期商用」の範囲に収まっているかを精査し、疑わしい場合は事前に適切な就労許可(Work Permit)を取得させるべきです。

また、意図しないオーバーステイを防ぐため、入国時に付与された許可期限を厳守することは言うまでもありません。フィジー政府は不法残留に対して非常に厳しい姿勢を取っており、許可期限を一日でも過ぎてしまうと、出国時に拘束されたり、将来的な再入国が禁止されたりするなどの不利益を被ります。現地での商談が長引く可能性がある場合は、許可期限が切れる前に現地の入国管理局で延長手続きを行うか、一旦出国して再入国するなどの法的リスク回避策を検討してください。

空港から市内までの移動手段

フィジーでの移動はタクシーや送迎車が主流であり、公共バスも運行されていますが、ビジネス利用においては時間効率と安全性の観点からタクシーやホテル送迎の利用が推奨されます。

ナンディ国際空港(NAN)、スバ=ナウソリ国際空港(SUV)から市内への主な移動手段(メトロ、タクシー、配車サービス)​

フィジーの主要な空の玄関口であるナンディ国際空港から、近隣のナンディタウンやリゾートエリアであるデナラウ、あるいは首都スバ方面へ向かう場合、最も一般的な手段はタクシーです。空港の到着ロビーを出てすぐの場所に公式のタクシー乗り場があり、黄色い車体の「空港専用タクシー」が待機しています。また、現地の配車アプリとして「Bula Way」などのサービスも一部存在しますが、日本や他国ほど普及しきっていないため、ビジネス渡航では確実性の高い空港タクシー、または宿泊先が手配するシャトルサービスを利用するのが一般的です。

一方、首都スバの近郊にあるナウソリ国際空港からスバ市内へ向かう際も、同様にタクシーが主役となります。フィジーには地下鉄やモノレールといった都市鉄道が存在しないため、陸路の移動はすべて道路状況に依存します。都市間を結ぶ長距離バスも運行されていますが、大きな荷物を抱えた出張者がビジネスの現場へ直行する手段としては、機動力に欠ける側面があります。そのため、事前に現地の受け入れ先企業に送迎を依頼しておくか、信頼できるタクシー会社を利用することが、円滑な移動を実現する鍵となります。

料金目安・所要時間のイメージと、深夜到着時の注意点​

ナンディ国際空港からナンディタウンまでは車で約10〜15分程度、料金は25〜30フィジードル前後が目安です。会議や宿泊施設が多く集まるデナラウ地区までは約20〜30分を要し、40〜50フィジードル程度の予算を見ておく必要があります。

また、スバ=ナウソリ空港からスバ市内までは約30~45分程度の走行となり、料金は35~50フィジードルほどとなりますが、朝夕のラッシュアワーには渋滞が発生しやすく、所要時間が1時間を超えることもあるため、アポイントメントの時間には十分な余裕を持つべきです。

特に深夜や早朝に到着する便を利用する場合は、安全面への配慮が不可欠です。フィジーのタクシーは原則としてメーター制ですが、夜間はメーターを使用せずに交渉制を求めてくるドライバーも散見されます。トラブルを避けるため、乗車前に目的地までの料金を確認するか、必ずメーターの使用を促してください。また、街灯の少ないエリアや人通りのない場所での降車は避け、可能な限りホテルのエントランスまで直接乗り入れるようにしましょう。企業の管理者は、出張者の安全を確保するために、深夜到着便を利用する際はあらかじめ定額制の公認送迎サービスを予約しておくなどの配慮を行うことが、リスクマネジメントの観点からも望ましい対応といえます。

フィジー共和国の物価相場

フィジーの物価は、ローカル向けのサービスと観光客・ビジネス客向けのサービスで二極化しているのが特徴です。特に主要都市であるナンディやスバでは、提供されるサービスの質に比例して費用も高くなる傾向にあります。

ホテルの宿泊相場

ビジネス目的での滞在に適した中級から高級クラスのホテル相場は、1泊あたり200フィジードル〜500フィジードル(日本円で約14,000円〜35,000円程度)が中心的な価格帯となります。ナンディ周辺のビジネスホテルや、スバ市内の行政機関に近いシティホテルであれば、300フィジードル前後でセキュリティと通信環境が整った客室を確保することが可能です。

一方で、接待や重要なカンファレンスで利用されるデナラウ地区などの5つ星リゾートホテルや、スバを代表する歴史ある高級ホテルの場合は、1泊600フィジードルを超えることも珍しくありません。また、フィジーのホテル料金は乾季のピークシーズンや国際会議の開催時期によって大幅に変動するため、出張が決まった段階で早めに予約を確定させ、キャンセルポリシーを含めた費用の精算ルールを社内で共有しておくことが推奨されます。

海外ホテルの価格推移や平均相場が知りたい方はこちらをご覧ください。

【2026年最新】世界の主要都市ホテル相場|海外出張の宿泊費目安リスト

日用品の物価相場

日用品に関しては、地元の農産物や国内で生産されている品物は比較的安価である一方、日本人が日常的に利用する加工食品や衛生用品、電化製品などの輸入製品は日本と同等、あるいはそれ以上の価格設定となっていることが一般的です。例えば、スーパーマーケットで購入できるミネラルウォーター(1.5リットル)は2フィジードル前後、現地のビールは5フィジードル程度と手頃ですが、輸入されたシャンプーや洗剤、化粧品などは輸送コストが上乗せされるため、割高に感じられる場面が多くなります。

また、外食費についても、ローカル向けの食堂であれば一食10~15フィジードル程度で収まりますが、ビジネスランチで利用するような清潔なレストランやホテルのダイニングでは、一食あたり40~80フィジードル以上の予算を見込んでおく必要があります。企業の管理者は、出張者の日当(滞在費)を設定する際、単なる「途上国」としての物価安を期待するのではなく、ビジネス水準の生活維持には一定のコストがかかる実態を考慮し、余裕を持った規定を設けることが現地でのパフォーマンス維持につながります。

滞在中の注意点(ビジネス慣行・ルール)

フィジーのビジネス環境は、英国植民地時代の名残と伝統的な部族社会の文化が融合しています。そのため、公式な場での振る舞いや、相手の宗教的・文化的背景への敬意が、商談の成否に直結する場合もあります。

ビジネスシーンでの服装・商談マナーの基本​

フィジーのビジネスにおける服装は、気候に合わせて「スマートカジュアル」が一般的です。男性の場合は、フィジーの正装である「ブラ・シャツ(Bula Shirt)」と呼ばれる色鮮やかな開襟シャツにスラックスを合わせるスタイルが広く受け入れられています。ただし、政府機関への表敬訪問や非常にフォーマルな会議では、日本と同様にスーツとネクタイの着用が求められることもあります。女性の場合は、膝が隠れる程度のワンピースやブラウスにスカートを合わせるなど、過度な露出を控えた控えめな装いがビジネスシーンに相応しいとされています。

商談のマナーについては、「フィジー・タイム」と呼ばれる、時間に寛容な文化が存在することをあらかじめ理解しておく必要があります。約束の時間に相手が遅れることも珍しくありませんが、日本側は時間厳守で臨むことが信頼を勝ち取る第一歩です。また、フィジーでは年長者や役職の高い人物を非常に敬う傾向があります。会議の場では、まず最も上位の人物に対して挨拶を行い、丁寧な言葉遣いを心がけることが、円滑なコミュニケーションを築くための基本となります。

宗教・法律上の禁止事項(飲酒、公共の場での振る舞い等)の概略​

フィジーはキリスト教、ヒンドゥー教、イスラム教など多様な宗教が共存する多民族国家であり、それぞれの宗教的禁忌に配慮することが求められます。特に日曜日はキリスト教徒にとって神聖な休息日であり、多くの商店が閉まり、ビジネス活動も控えられるのが一般的です。また、伝統的な村落を訪問するビジネスツアーなどがある場合は、頭に帽子を被ることや、肩や足を出す服装は無礼にあたるため、厳密に慎まなければなりません。

飲酒に関しては、主要都市のレストランやバーであれば問題ありませんが、公共の場での飲酒や泥酔した状態での行動は、法律で厳しく制限されており、処罰の対象となることもあります。特に「ヤンゴーナ(カヴァ)」と呼ばれる伝統的な飲み物を用いた儀式に招待された際は、それを単なる嗜好品ではなく、神聖な儀礼として捉え、現地の作法に従って一口だけでも口にすることが礼儀とされています。こうした文化的なタブーを事前に把握しておくことで、意図しないトラブルや相手への不敬を避けることができます。

企業として事前に共有しておきたい行動ルール​

企業の管理者は、出張者が現地で「企業の代表」として見られていることを再認識させ、組織としての行動規範を徹底させる必要があります。具体的には、流動的な治安情勢に対応するため、夜間の一人歩きを禁止することや、タクシー利用時は必ずホテルの手配した車両や公式なものに限るといった安全ルールを明確に定めるべきです。また、現地のSNS利用についても注意が必要です。商談相手や現地の風景を許可なく投稿することは、情報の守秘義務やプライバシーの観点から深刻な問題に発展する可能性があるため、投稿制限を含めたガイドラインを共有しておくことが望まれます。

さらに、フィジー特有の「ケレケレ(Kerekere)」と呼ばれる、親族や知人間での共有や助け合いを前提とした文化についても理解を深めておく必要があります。ビジネスの場であっても、過度な贈り物を求められたり、逆に過剰な接待を提案されたりする場面があるかもしれません。これらに対し、社内のコンプライアンス規程に則った明確な判断基準を持たせておくことが、出張者自身の身を守り、清廉なビジネス関係を維持するために極めて重要です。

出国時の手続きとオーバーステイ対策

フィジーからの出国は、主要な国際空港であるナンディ国際空港において、余裕を持ったスケジュールで進めることが基本です。また、万が一滞在が予定より長引く場合には、法的トラブルを回避するための迅速なアクションが求められます。

出国審査の流れと、空港到着の推奨時刻​

帰国当日は、航空会社のチェックインカウンターで搭乗手続きを済ませた後、セキュリティチェックを経て出国審査(イミグレーション)へと進みます。フィジーの国際空港は時間帯によって非常に混雑することがあり、特に日本への直行便やオーストラリア・ニュージーランドへの乗り継ぎ便が重なる時間帯は、チェックインや手荷物検査に長蛇の列ができることも珍しくありません。そのため、出発時刻の「3時間前」には空港に到着しておくことが、ビジネス出張者としての標準的なスケジュールといえます。

出国審査では、パスポートに押された入国時のスタンプと滞在期限が照合されます。ここで期限を遵守していることが確認されれば、手続き自体はスムーズに完了します。ただし、空港での免税手続きや、預け入れ荷物の重量制限に関するトラブルが発生する可能性も考慮し、早めにゲート付近へ移動しておくことが賢明です。空港までの移動手段についても、ラッシュ時の渋滞を考慮し、宿泊先のホテルと連携して信頼できる送迎車両を早めに手配しておくよう心がけてください。

オーバーステイ時の罰金・再入国への影響の概略​

フィジーにおいて、許可された滞在期限を一日でも超過する「オーバーステイ」は、重大な法令違反として扱われます。もし意図せず期限を過ぎてしまった場合、出国時に空港の入国管理局事務室にて事情聴取が行われ、多額の罰金支払いを命じられることになります。この際、現金の即時払いを求められるケースもあり、支払いが完了するまで出国が認められないという事態に陥りかねません。

さらに深刻なのは、将来的な再入国への影響です。一度でもオーバーステイの記録が残ると、フィジー政府のブラックリストに登録され、次回の入国拒否や、今後数年間にわたる入国禁止措置が取られるリスクが極めて高くなります。これは個人だけでなく、その社員を派遣した企業に対しても「コンプライアンス意識の低い組織」というレッテルを貼られることに繋がり、現地でのビジネス展開において致命的な障害となる恐れがあります。企業の管理者は、出張者の帰国予定日とビザの有効期限をダブルチェックし、確実に期限内に出国させる体制を整えておくべきです。

滞在延長・ビザ更新が必要になりそうな場合の早期相談ポイント​

ビジネスの現場では、予期せぬ商談の延長や工事の遅延などにより、当初の予定を過ぎて滞在せざるを得ない状況が発生することがあります。滞在期限の延長が必要であると判断した場合は、期限が切れる「少なくとも2週間前」には、現地の入国管理局(Department of Immigration)へ相談し、延長申請の手続きを開始することが重要です。申請には、延長が必要な理由を記した現地受入企業からのレターや、新たな帰国便の予約証明、十分な滞在資金の証明などが求められます。

また、こうした手続きを円滑に進めるためには、現地の提携先企業やエージェントの協力が欠かせません。もし自社だけで対応が困難な場合は、現地の弁護士やビザコンサルタントにアドバイスを求めることも一つの手段です。期限が切れてから対処しようとするのではなく、延長の可能性が浮上した時点で速やかに社内の管理部門へ報告し、公式なルートを通じて手続きを行うことが、法的リスクを最小限に抑え、持続可能なビジネス関係を維持するための鉄則となります。

参考リンク・公式情報

在日フィジー共和国大使館

在フィジー日本国大使館

フィジー政府観光局

外務省 海外安全ホームページ

出張手配・管理にお困りの企業様向け:出張支援クラウド BORDERのサービス概要資料を無料配布中です。

■BORDERのサービス概要資料のダウンロード

出張支援クラウド BORDERを活用して、出張業務の効率化とコスト削減を実現しませんか?

  • サービスの機能
  • 導入実績・お客様の声
  • 料金プラン

各種資料のダウンロード

BORDERサービス概要資料

出張管理システム選定キット

BORDER導入事例集

BTM(出張管理)のいろは

© Copyright 2026 ボーダー株式会社 All rights reserved.