新しい働き方としてワーケーションが注目されていますが、実際に行うには、場所の選定や仕事環境の構築など様々な課題があります。特に、お子さんがいるビジネスパーソンにとっては、家事との両立など更に越えなければいけないハードルがいくつもあります。
そこで今回は、ファミリーワーケーションで家族みんなが有意義な時間を過ごすためのコツを紹介します。
ワーケーションとは、「ワーク=仕事」と「バケーション=休暇」を組み合わせた造語で、普段のオフィスとは離れた場所で休暇を楽しみながら働くスタイルのことを意味します。
日本でも観光庁が主導となって推進するなど少しずつ浸透しておきており、矢野経済研究所がまとめた「2022年版 地域を活性化させるワーケーション市場の実態と展望」によると、2021年度の国内ワーケーション市場規模は699億円であり、また、2023年度の同市場は1084億円に達すると予測されています。
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ファミリーワーケーションにはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、家族・親御さん・お子さんの3つの視点に分けて整理します。
日常とは異なる場所で生活することは、家族にとって貴重な機会です。テレビゲームや動画から離れ、家族で話したり、何かを見たり、体験することは忘れられない思い出になります。働きながら家族の絆を深めることができる最高の環境であると思います。
最大のメリットは、気持ちをリフレッシュし、仕事へのモチベーションを高められることでしょう。これまで仕事のリフレッシュといえば、長期休暇などが一般的でしたが、ワーケーションを活用すれば、働きながらワーケーションできます。日中は仕事に集中し、勤務後は家族で地元の名産品を食べるなど、メリハリのある生活をして仕事しながら非日常を楽しみましょう。
これまで旅行といえば、家族で旅行先に向かい、一緒に過ごすことにありました。しかし、ワーケーションでは、旅行先で一人でプログラムなどに参加する機会が生まれやすくなります。そうした体験は子どもにとって貴重な体験になると同時に、心身共を鍛える機会になります。親が仕事をしている間に、お子さんが有意義な時間を過ごすチャンスです。
ワーケーションには前述のようなメリットがありますが、ワーケーションによってパフォーマンスが下がったり、周囲のメンバーに負担をかけてしまうと、ワーケーションを日常的に行うことは難しくなってしまいます。ファミリーワーケーションを実現する上での課題は以下の通りです。
家族でワーケーションを行う場合は、子どものスケジュールを考慮する必要があります。就学児のいるご家庭であれば、お子さんの登校日などを考慮する必要があるでしょう。また、未就学児であっても、習い事などに影響がないかを確認する必要があります。
共働きのご家庭の場合は、それに加えて夫婦間での日程調整も必要になります。月末月初は忙しいなど職種によって忙しい時期が異なります。また、リモートワークができるビジネスパーソンであっても対面で対応しなければいけない業務もあるでしょう。そのため、夫婦間で調整を行い、最適な日程を探ることが求められます。
ファミリーワーケーションを行う場合は、勤務時間中の子どものケアが重要になります。未就学児や小学校の低学年のお子さんの場合、1~2時間はお子さんだけで遊ぶことはできても、勤務時間中ずっと一人で過ごしてもらうのは非常に難しいと言わざるを得ません。親としてもYoutubeなどの動画を見せ続けておくのは罪悪感を感じるでしょう。
勤務時間中、お子さんにとっても有意義な時間を提供することはファミリーワーケーションの大事なポイントになると言えるでしょう。
前述の通り、勤務時間中、お子さんが学校や保育園、幼稚園に通っていないのがワーケーションの特徴です。そのため、少なからず子どものフォローアップが必要になります。共働きの場合は、会議時間が被らないようにするなど、夫婦ともにスケジュールを共有しつつ、お子さんをケアする必要があります。
先ほど述べた通り、ご家族でワーケーションをするのは一定のハードルがあります。そこでお勧めしたいのが、ワーケーションプログラムの活用です。
もっとも簡単なのが、2泊3日などのワーケーション体験プログラムに参加することです。ワーケーションプログラムでは、お子さん向けのプログラムや親御さん向けのコワーキング施設の提供など含めた一体的な支援を行っており、参加者は気軽に参加することができます。小学生のお子さんなどを持つご家庭がファミリーワーケーションする際に最適といえるでしょう。
体験型のプログラムについては、親子ワーケーションの情報を掲載しているサイトなどで確認するよいでしょう。
特定の自治体では、ワーケーション施設への誘致のため託児所サービスを提供しています。例えば、厚沢部町では、「保育園留学」という制度を作り、住民外の子育て夫婦がワーケーションで勤務している時間帯、子どもを預かる制度を作っています。利用にあたっては所定の登録は必要ですが、定められた期間、子どもを保育園が預かってくれるため、安心して仕事に打ち込むことができます。
https://hoikuen-ryugaku.com/assabu
一部のホテルでは、付帯施設として託児所が備わっている場合があります。例えば、品川プリンスホテルであれば、小学館グループが運営する託児所「dakko(だっこ)ルーム」があり、有資格者のスタッフが常駐しているため、安心してお子さんを預けることができます。未就学児の中でも三歳くらいまでのお子さんがいる場合は託児サービスを利用しつつ、業務を行うのも一つの方法といえるでしょう。
https://www.princehotels.co.jp/shinagawa/facility/dakko-room/
いかがでしたか。ワーケーションに興味のある方でも、うちには小さな子どもがいるからワーケーションは無理と思っている方も多いのではないでしょうか。そういった方々にとって少しでも参考になれば幸いです。
土日をくっつければ、最終日は一家団欒で過ごすこともできます。是非、楽しいファミリーワーケーションライフをお過ごしください。