出張費や備品購入費の精算をする際に用いられる方法として、小口現金と振込が考えられます。小口現金には、立替者にとってメリットがある反面、管理の手間がかかります。そのため、あまり良いイメージが湧かない経理担当者も多いのではないでしょうか。
今回は、小口現金による精算の流れやデメリットについて解説します。また、小口現金から振込に切り替える場合の注意点もお伝えします。
小口精算とは、会社の現金を一部手元で管理し、社員の交通費や社内の備品を購入するために使う現金を指します。
小口現金を活用する場合、入出金の度にその内容を出納帳に記載する必要があります。また、管理している現金の合計額と帳簿残高を合わせる業務が必要になります。そのため、1円でもズレてしまうと、再計算や領収書・レシートのチェックが必要になります。
このように小口現金は、経理担当者にとって大きな業務負担になっていますが、オフィスのミカタによると企業の61.4%が小口現金を活用しており、まだ多くの会社で利用されているのが現状です。
ここでは小口現金を活用した場合の出張精算の流れを確認します。
出張者は、経費精算書を作成した後、領収書やレシートを小口現金管理者のもとに持参し、現金を受け取ります。小口現金は社内の特定の責任者が管理しているケースが多く、責任者=経理担当者ではないことがよくあります。
現金を支給した後、小口現金管理者は、経理担当者に経費精算書及び領収書を添えて、小口現金精算を実施した旨を報告します。
小口現金管理者から報告を受けた経理担当者が報告内容を基に記帳を行います。また、この時に、通帳残高と小口現金残高が一致していることも確認します。
先ほどお伝えしたように小口現金は多くの会社で利用されている経費精算方法ですが、課題もあります。ここでは、経理担当者として把握すべき、小口現金の課題をお伝えします。
小口精算の流れでお伝えしたように、小口精算を行う場合、数多くの業務が発生します。立替金額は少額であることもよくあり、経った数百円の備品代だとしても、領収書の受取から内容確認、現金支給、帳簿記録という一連の流れが発生します。
また、一日の終わりに、社内にある現金残高と帳簿の金額が一致しているかを確認する必要があります。
小口現金は社内で管理する必要があります。その為、盗難リスクがある点は考慮すべきでしょう。また、支給も人の手を介して行われるため、金額間違えなどが発生する可能性があります。ミスが発生した際も、振込であれば通帳の記帳内容が証拠になりますが、小口現金の場合は支払額のミスを証明する手だてがなく、立替者とのトラブルに発展するケースもあります。
小口精算にはいくつかの課題があるため振込での対応に変更する会社が増えていますが、小口精算から振込への切り替えにあたって注意すべき点もあります。
小口精算の場合は、経費の申請時にその場で精算がされます。しかし、振込の場合は、月に1回の支給になることが多く、立替期間が長くなるケースがよく見られます。出張における移動費用や宿泊費用の立替は10万円近くに及ぶ場合もあるため、立替者にとっては大きな負担になります。
立替経費精算を行う場合、振込手数料が発生します。出張者が多い会社では、振込手数料だけでかなりの金額になります。対策としては、振込元と振込先の銀行を同一にすることで振込手数料を減らしたり、給与と一緒に旅費精算を行うなどが考えられます。
小口現金から振込への切り替えにより、経理担当者の業務フローが変わります。具体的には、現金残高の確認作業がなくなる代わりに、従業員ごとの立替費用の計算及び振込手続きが必要になります。
そのため、変更にあたっては出張者はもちろんのこと、経理担当者にもしっかり説明をしましょう。
出張時の移動費用や宿泊費用は高額なため、小口現金から振込に切り替えた場合、従業員の立替期間が長くなり、金銭的負担が高まる可能性もあります。
そこで解決する方法が出張管理システムの活用です。
出張管理システムを活用すれば、企業への請求となるため出張時における従業員の立替を解消することが可能です。
加えて、出張費用の適正化や一元管理が可能となるため、社内の出張を管理する上でも最適な方法と言えるでしょう。
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出張後の旅費精算の流れや注意点を解説します(旅費精算書のテンプレートあり)