近年、海外出張をする際に話題になっているのが、出張規程の見直しです。物価高や為替の影響により、宿泊費用の上限や日当の再設定している企業も多いのではないでしょうか。宿泊費用の上限や日当を見直す際に必要になるのが、出張先の物価水準です。
この記事では、世界各国の物価水準について、生活費や家賃など、複数分野の結果を紹介します。
生活費の物価水準とは、後述する家賃・食品・レストランなどの物価水準の総合値です。つまり、この水準が諸外国へ渡航する際の基本的な物価水準と考えてよいでしょう。
出張で訪問する頻度の高い国における生活費の物価水準について、日本を100とした場合の数値を以下に示します。
こちらを見ると、欧米に関しては日本の1.5倍程度の物価水準であることが分かります。一方、アジア諸国については、特定の国(シンガポール、香港、韓国)を除き、日本の70%程度の数値であることが分かります。
以下では、家賃や食品、レストランなど個別の物価水準を確認していきましょう。
賃料の物価水準においては、シンガポールや香港が欧米諸国を押さえて高いことが分かります。また、アメリカも日本の3倍程度の水準となっています。欧米に関しては、日本の2~3倍程度は覚悟しておいた方が良いかもしれません。
続いて、食品の物価水準です。数値を見ると、賃料と比べて国ごとの差が大きくないことが分かります。アジアにおいては、シンガポール、香港、韓国、台湾は日本を上回る数値となっています。欧米に関しても日本よりも物価水準は高いですが、家賃ほどの差はなく、1.25倍程度と考えておいてよいでしょう。
なお、食品の物価水準とは、調理前の食材の物価水準を指すため、短期の出張においてはあまり影響がないかもしれません。
最後にレストランの物価水準です。こちらも食品と同じような地域差となっていますが、食品よりも差が大きいことが分かります。シンガポールに出張する際は、日本の1.8倍程度の食費は覚悟しておいた方が良いでしょう。また、欧米に出張する際は日本の2倍以上の金額を要することは頭に入れておきましょう。
ここまでは各国における物価水準を紹介しました。宿泊費用や日当を見直す際は、上記のように数値を指数化(東京の平均価格を100とした場合の各都市の指数を算出すること)して設定するのが良いとされています。
指数化の例については、下記の記事に記載していますのでよろしければご覧ください。
出張費の相場:宿泊費編(2024年3月更新)世界主要都市のホテル相場
本記事では、世界各国の物価水準について、生活費や家賃など、複数の分野を紹介しました。旅費規程の見直しは、各企業にとって難しい取り組みだと思います。この記事がご参考になりますと幸いです。
なお、本記事の作成に当たっては下記のサイトのデータを活用しました。