もくじ
出張費の大きなウェイトを占める「燃油サーチャージ」。海外出張を計画するうえで、「燃油サーチャージはいつから上がるのか?」は、出張者・管理者にとって最も気になるポイントです。
結論からお伝えすると、日系航空会社(JAL・ANA)の燃油サーチャージは、2026年6月1日以降の「発券分」から大幅に値上げされる見通しです。
JAL:国際線「燃油特別付加運賃」「航空保険特別料金」のご案内
JAL(日本航空)やANA(全日本空輸)をはじめとする多くの航空会社では、燃油サーチャージの金額を2ヶ月ごとに見直しています。
2026年4月〜5月発券分については、前回の金額から「据え置き」となりました。しかし、直近の報道でも警戒されている通り、2026年6月〜7月発券分からは、各路線で最大1.5倍〜2倍近い大幅な引き上げが予測されています(※正式な改定額は2026年4月中旬〜下旬に発表予定)。
この値上げは、日本発の国際線全般に適用されるため、北米・欧州などの長距離路線はもちろん、アジア圏への近距離出張においても経費への打撃は避けられません。
燃油サーチャージの金額を左右するのは、搭乗日ではなく航空券を発券した日です。
仮に「2026年8月に出発する出張」であっても、航空券を5月中に発券してしまえば、値上げ前の金額で済ませることができます。そのため、値上げが予想されるタイミングでは、社内での出張稟議や承認フローを急ぎ、改定月に入る前に発券を完了させることが、最も確実な経費削減策となります。
燃油サーチャージの金額は、主に以下の2つの要素によって決まります。
現在、2026年6月からの値上げが懸念されている最大の理由は、緊迫化する中東情勢を受けた原油価格の高騰です。それに加え、慢性的な円安傾向が続いているため、円貨換算した際の基準額が大きく押し上げられています。 情勢が落ち着かない限り、2026年後半に向けても燃油サーチャージが高止まり、あるいはさらに上昇するリスクは十分にあると言えます。
「燃油サーチャージが上がるのは分かったけれど、具体的にどれくらい影響があるの?」という出張者の方に向けて、改めてその仕組みとインパクトを解説します。
燃油サーチャージとは、正式には「燃油特別付加運賃」と呼ばれます。航空会社が企業努力だけでは吸収しきれない航空燃料(ジェット燃料)の価格変動分を、一時的にお客様(旅客)に負担してもらう追加料金のことです。
航空券の請求書を見ると、主に以下の3つの項目で構成されていることがわかります。
つまり、私たちが支払う航空券の「総額」には、この燃油サーチャージが必ず上乗せされているのです。
燃油サーチャージは飛行距離が長いほど高額になります。実際のところ、燃油サーチャージが航空券総額に与えるインパクトはどの程度なのでしょうか。
2026年4月現在の目安額(JAL/ANA等)をベースに、往復の出張を想定した東京ーニューヨークと東京ーシンガポールの具体例を見てみましょう。
往復の燃油サーチャージ:約58,000円〜64,000円(片道29,000円〜32,000円程度)
インパクト: エコノミークラスの安い時期であれば、航空券本体の価格が10万円〜15万円程度になることもあります。その場合、総額の約3割〜4割を燃油サーチャージが占める計算になり、出張予算を大きく圧迫する要因となります。
往復の燃油サーチャージ:約31,000円〜33,000円(片道15,500円〜16,500円程度)
インパクト: シンガポールなどのアジア主要都市でも、往復で3万円以上の追加コストが発生します。出張者が多い企業の場合、積もり積もって年間数百万〜数千万円の予期せぬ経費増に繋がる恐れがあります。これらが6月以降に1.5倍〜2倍になったと想像すると、そのインパクトの深刻さがお分かりいただけるかと思います。
燃油サーチャージの金額は一律ではなく、航空会社によって異なります。日系航空会社(JAL・ANA)は同じ基準を採用しているためほぼ同額ですが、外資系航空会社を選ぶと数千円〜数万円単位で安くなるケースもあります。
また、一部のLCC(格安航空会社)や、特定の中東系・アジア系航空会社の中には「燃油サーチャージを徴収しない(チケット代に込みとする)」方針をとっている企業も存在します。 出張コストを抑えるためには、普段使っている航空会社に固執せず、他社の運賃やサーチャージを含めた「総額」で比較検討することが不可欠です。

燃油サーチャージの大幅な高騰は、企業の出張経費予算をいとも簡単に狂わせます。特に2026年6月以降の改定予測のような急激な変動期には、出張者個人の努力だけでなく、会社全体でのルール作りと管理体制の強化が不可欠です。
ここでは、出張管理者が今すぐ取り組むべき3つの経費削減・管理対策を解説します。
まず着手すべきは、自社の「トラベルポリシー(出張規定)」の再確認とアップデートです。燃油サーチャージが高騰している時期は、以下のポイントが規定に盛り込まれ、全社で遵守されているかを見直しましょう。
航空運賃の安さだけでなく、燃油サーチャージや諸税を含めた「総額」で、複数の航空会社(外資系やLCCを含む)を比較検討するルールを設けます。
出張者が個人のマイルを優先し、あえて高額な特定航空会社(特定のアライアンス)を選ぶことを防ぐ規定を明確にします。
直前手配や、やむを得ず高額な航空会社を利用する場合の承認フローを一段階引き上げるなど、特例の発生を抑制します。
規定は形骸化しては意味がありません。社内報や経費精算時のアラートなどを活用し、規定の目的とあわせて継続的に啓蒙することが重要です。
前述の通り、燃油サーチャージは搭乗日ではなく「発券日」ベースで決まります。また、航空券本体の価格も出発日に近づくほど高額になるのが一般的です。そのため、「早期予約の推進は、最も即効性のあるコスト削減策となります。
「海外出張の航空券は、原則として出発の14日前(または21日前)までに手配・発券を完了させる」といった具体的な期限を設け、社内浸透を図ります。
出張者が早く申請しても、上長の承認待ちで月をまたいでしまい、結果的に値上げ後の燃油サーチャージが適用されてしまうケースは少なくありません。承認ルートの短縮化や、申請から〇日経過で自動的に承認を促す仕組みを作るなど、「社内手続きのボトルネックによる発券遅れ」をなくすことが急務です。
出張コストを根本から削減するには、物理的な移動を伴わない手段を検討することも重要です。もちろん、ビジネスの成長において対面での商談や現地視察が必要な場面は多々ありますが、管理部門として「出張のROI(投資対効果)」を社内に再評価させる仕組みを作りましょう。
「社内ミーティングや既存顧客への定例報告はオンライン会議を原則とする」「新規の大型案件クロージングや、実機確認が必要な視察は出張を許可する」など、業務内容に応じたガイドラインを策定します。
出張申請(稟議)の際に、「なぜオンラインではなく現地へ赴く必要があるのか」「その出張によって見込まれる利益(成果)は何か」を具体的に記載する項目を追加し、出張者自身に費用対効果を意識させます。
燃油高騰によるコスト増の危機を逆手に取り、社内の惰性的な出張を見直すきっかけとすることが、外部環境の変化に強い組織づくりに繋がります。
燃油サーチャージの高騰により、出張者に対する経費削減のプレッシャーも強まっています。会社の規定(トラベルポリシー)を守ることは大前提ですが、ご自身で航空券を手配する際、少しの工夫で総額をグッと抑えることが可能です。
ここでは、出張者がフライトを検索・手配する際に実践できる2つのポイントをご紹介します。
航空券の価格は需要と供給で決まるため、出発・帰国の「曜日」や「時期」を少しずらすだけで、数万円単位のコスト削減に繋がることがあります。商談や展示会の日程にある程度の融通が利く場合は、日程調整の段階から工夫してみましょう。
安い曜日を狙う: 一般的に、ビジネス客や週末の旅行客が集中する「月曜・金曜・週末」は航空券が高くなりやすい傾向にあります。逆に、「火曜・水曜・木曜」などの中だるみの平日は、需要が落ち着き価格が下がる傾向にあります。1日出発を早める、あるいは遅らせるだけで、運賃クラスが下がり総額が安くなるか確認してみましょう。
現地の祝日・大型連休を避ける: 日本のゴールデンウィークや年末年始だけでなく、渡航先の祝日やイベント時期(中華圏の春節、欧米のクリスマスやサンクスギビングなど)も航空券が高騰します。フライト検索サイトの「カレンダー表示(月間最安値)」などの機能を使い、前後の日程の価格を比較しながらスケジュールを組むのが賢い方法です。
直行便のフルサービスキャリア(JALやANAなどの従来型航空会社)は、利便性が高い一方で、運賃・燃油サーチャージともに最も高額になりがちです。コストを抑えるためには、選択肢の幅を広げることが重要になります。
LCC(格安航空会社)の検討: 近年は中長距離路線を飛ぶLCCも増えています。最大のメリットは、燃油サーチャージを徴収しない(あるいは運賃に含めて安く設定している)航空会社が多い点です。手荷物料金や座席指定料などのオプション追加費用を含めても、フルサービスキャリアより総額を大幅に抑えられるケースがあります。
経由便(乗り継ぎ便)の活用: 直行便にこだわらず、第三国を経由するフライトを選ぶだけで、航空券の総額が数万円〜半額近く安くなることも珍しくありません。例えば、北米出張なら韓国や台湾経由、ヨーロッパ出張なら中東経由などを比較してみましょう。外資系航空会社を利用することで、燃油サーチャージの基準額自体が下がるメリットもあります。
選択にあたっての注意点:乗り継ぎ時間が長すぎたり、LCCの深夜・早朝便を利用したりすると、出張者の疲労や業務のパフォーマンス低下に繋がります。「移動時間」と「削減できるコスト」のバランスを見極め、無理のない範囲で活用することが大切です。
出張者自身がこうした「価格変動のクセ」を知り、検索時に少し視野を広げるだけでも、燃油高騰によるコスト増をある程度カバーすることが可能です。とはいえ、毎回複数の航空会社や日程を比較するのは手間がかかりますので、後述するシステムの活用も合わせて検討してみてください。
これまで、管理者と出張者それぞれの視点から燃油サーチャージ高騰への対策をご紹介してきました。しかし、日々の業務と並行して「常に最安値を探す」「規定違反がないかチェックする」「発券期限を管理する」といった作業を人力で行うのには限界があります。
そこで、燃油サーチャージや為替などの外部環境の変化に左右されない、強固な管理体制を作るために有効なのが**「出張管理システム(BTM:Business Travel Management)」**の導入です。
出張管理システムを導入する最大のメリットの一つが、トラベルポリシー(出張規定)のシステム制御です。管理者が事前に「利用可能な座席クラス」や「路線ごとの上限金額」を設定しておくことで、出張手配のガバナンスを自動化できます。
出張者が規定外の高額な航空券(高額な燃油サーチャージが上乗せされた便など)を選択した際、システム上で予約を制限したり、警告(アラート)を出したりすることが可能です。
どうしても規定外の予約が必要な場合(緊急手配など)は、理由の入力を必須化し、上長の承認フローへとシームレスに連携させます。
マイル獲得を目的として、あえて高額な特定航空会社を選ぶような「見えにくいコストの無駄」をシステムが未然に防ぎます。
これにより、管理者が一件ずつ見積もりを目視でチェックする手間が省け、社内のルールが確実に遵守されるようになります。
出張者にとって、複数の航空会社や予約サイトを巡回して「燃油サーチャージを含めた総額の最安値」を探す作業は、大きな負担となります。出張管理システムを利用すれば、出張者自身の手配業務も大幅に効率化されます。
運賃本体だけでなく、燃油サーチャージや諸税を含んだリアルタイムの「総額表示」で、フルサービスキャリアからLCCまで幅広い選択肢を一括検索できます。
「少しでも安いチケットを探さなければ」というプレッシャーや無駄な検索時間から出張者を解放し、商談準備などの本来の業務に集中できる環境を提供します。
燃油サーチャージが「いつ・いくら上がるのか」という予測が立てづらい状況下においては、過去の実績データに基づいた精緻な予算管理が求められます。出張管理システムには、「誰が・いつ・どこへ・いくらで出張したか」というデータがすべて自動で蓄積されます。
「東京ーニューヨーク路線で月に〇件の出張があるため、6月の値上げ以降は〇〇円の追加コストが発生する」といった具体的なインパクトを、過去のデータから即座に算出できます。
蓄積されたレポート機能を活用し、「オンライン会議に代替できる出張はなかったか」「特定の部署で予算超過が起きていないか」を分析することで、次の一手を打つための客観的な根拠を得られます。
出張管理システムは、単なる「便利な予約ツール」ではなく、不確実な外部環境から企業の利益を守るための「戦略的なコスト管理ツール」として機能します。
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2026年6月以降に予測される燃油サーチャージの大幅な高騰は、企業の出張経費に重くのしかかります。原油価格や為替相場といった外部環境は自社の努力でコントロールできるものではありません。だからこそ、「社内の管理体制」をいかに強固なものにしておくかが、企業の利益を守るための生命線となります。
出張管理者がトラベルポリシーを適切に整備し、出張者一人ひとりがコスト意識を持って予約の工夫(早期手配や日程調整など)を行うことは非常に重要です。しかし、それらのルールを徹底し、継続的に手配業務を最適化していくためには、手作業での管理にはどうしても限界があります。
燃油サーチャージの変動に一喜一憂するのではなく、常に「最安値」を自動で提示し、「規定違反」を未然に防ぐ。そしてデータに基づいた「予実管理」を可能にする。そんな外部環境の変化に強い組織づくりには、「出張管理システム(BTM)」の活用が最も確実で効果的な近道です。
「燃油高騰の影響で出張費の予算オーバーが心配…」 「出張者が高い航空券ばかり予約してしまい、注意するのが負担…」 「手配にかかる時間とコストをもっと削減したい!」
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