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出張時のホテル手配のまとめ:宿泊相場からホテル選定方法、精算の流れを解説
「宿泊税の勘定科目は、原則租税公課(不課税仕入)です。ただし、領収書への記載有無によって仕訳が変わり、消費税(インボイス)の扱いも異なります。
2026年3月時点で45自治体が宿泊税を導入し、出張精算における会計処理ミスが内部統制上のリスクになりつつあります。本記事では、出張管理システム(BTM)を運営するボーダー株式会社が、経理・総務担当者向けに①勘定科目の判定基準、②消費税・インボイスの取り扱い、③社内ルール整備の方法を実務目線で解説します。」
もくじ
宿泊税とは「地方税」に分類され、地方自治体が徴収する税金です。税の目的としては、地方自治体が観光資源の整備や地域活性化を目的都市、宿泊施設に滞在する顧客に貸す税金として導入されています。宿泊者が、ホテルなどに支払い、そのホテルなどが地方自治体に税を納めます。
宿泊税は、宿泊料金に基づいて課される税金であり、1泊あたりの料金が一定額を超える場合に課税対象となります。
ただし、目的や特定の施設においては対象外となる場合もあります。例えば、学校行事に伴う宿泊や民泊の利用については課税対象外となるケースがあります。なお、基準は自治体によって異なりますので最新動向を把握しておきましょう。宿泊税の基準に関する詳細は、自治体に掲載されています。
宿泊税を一番最初に始めた東京都では、インバウンドに対しての観光事業者の支援や人材育成、多種多様の文化・習慣に対応した設備環境の向上、観光地のライトアップの導入などに使われています。また、日本の文化を感じる京都では、文化振興、公共交通機関の混雑対策などより観光に特化した分野で用いられています。そして、福岡県では、バリアフリーの整備、災害対応強化などにも使われています。このように、宿泊税は観光における様々な分野で活用されています。
宿泊税の課税額と対象施設は自治体ごとに異なります。重要な点が3つあります。①2026年3月時点で45自治体が導入済み、②同一県内でも市・県の二重課税が生じるケースあり、③民泊・簡易宿泊所は対象外の場合があるためです。
宿泊税は2002年から始まりました。初めて導入した自治体は東京都で、その10年後の2017年に大阪府、現在は全国へ導入の動きが広がっています。2026年3月時点では、45の自治体が宿泊税を定めています。
宿泊税の課税額は自治体ごとに税率が異なり、「素泊まりの料金が●●円以上は課税、●●円未満の場合は非課税」などと分類しています。また、適用対象も自治体によって異なるので詳細はそれぞれの自治体のホームページをご覧ください。以下では、導入済の自治体における宿泊税を紹介します。料金は、1人1泊あたりの料金となります。
東京都の宿泊税の対象は、旅館業法に規定する旅館・ホテル営業の許可を受けた宿泊施設です。民泊などは対象外です。
| 10,000円~14,999円 | 100円 |
| 15,000円以上 | 200円 |
大阪府の宿泊税の対象は、旅館業法に規定する旅館・ホテル営業の許可を受けた宿泊施設に加えて簡易宿泊所や民泊も対象となります。なお、宿泊税は、2025年9月1日の宿泊から改定されました。
※2025年8月31日宿泊分まで
| 7,000円~14,999円 | 100円 |
| 15,000円~19,999円 | 200円 |
| 20,000円以上 | 300円 |
※2025年9月1日以降宿泊分は下記内容に改正
| 5,000円~14,999円 | 200円 |
| 15,000円~19,999円 | 400円 |
| 20,000円以上 | 500円 |
京都府京都市についても大阪府と同様に、旅館・ホテルに加え簡易宿泊所や民泊も宿泊税の対象となりますが、非課税枠はありません。
| ~19,999円 | 200円 |
| 20,000円~49,999円 | 500円 |
| 50,000円以上 | 1,000円 |
石川県金沢市は京都府京都市と同様に、旅館・ホテルに加え簡易宿泊所や民泊も宿泊税の対象となり非課税枠もありませんが、税率の区分けが20,000円のみとなります。
| 5,000円~19,999円 | 200円 |
| 20,000円以上 | 500円 |
北海道倶知安町の宿泊税の対象は、旅館・ホテルに加え簡易宿泊所や民泊も宿泊税の対象となります。非課税枠はなく税率も定率になります。
| 宿泊料金の2% |
福岡県の宿泊税の対象は、旅館・ホテルに加え簡易宿泊所や民泊も宿泊税の対象となり非課税枠もありませんが、福岡市、北九州市は県と市の二重課税となります。
福岡県福岡市
| ~19,999円 | 200円(県税50円含む) |
| 20,000円以上 | 500円(県税50円含む) |
福岡県北九州市
| 宿泊料金にかかわらず | 200円(県税50円含む) |
福岡県(福岡市、北九州市以外)
| 宿泊料金にかかわらず | 200円 |
長崎県長崎市も、旅館・ホテルに加え簡易宿泊所や民泊も宿泊税の対象となり非課税枠もありませんが、修学旅行や学校行事での宿泊の場合は免除となります。
| ~9,999円 | 100円 |
| 10,000円~19,999円 | 200円 |
| 20,000円以上 | 500円 |
北海道虻田郡ニセコ町の宿泊税は、宿泊料金によって異なります。詳細は下記のとおりです。
| ~5,000円 | 100円 |
| 5,001円~19,999円 | 200円 |
| 20,000円~49,999円 | 500円 |
| 50,000円~99,999円 | 1,000円 |
| 100,000円以上 | 2,000円 |
愛知県常滑市の宿泊税は、宿泊料金にかかわらず一律200円です。
| 宿泊料金にかかわらず | 200円 |
静岡県熱海市の宿泊税は、宿泊料金によって異なります。詳細は下記のとおりです。また、小学生以下のお子様は課税の対象となりません
| 宿泊料金にかかわらず | 200円 |
岐阜県下呂市の宿泊税は、宿泊料金によって異なります。詳細は下記のとおりです。また、小学生以下のお子様は課税の対象となりません
| ~4,999円 | 100円 |
| 5,000円~ | 200円 |
岐阜県高山市の宿泊税は、宿泊料金によって異なります。詳細は下記のとおりです。また、小学生以下のお子様は課税の対象となりません
| ~9,999円 | 100円 |
| 10,000円~29,999円 | 200円 |
| 30,000円以上 | 300円 |
北海道赤井川村の宿泊税は、宿泊料金によって異なります。詳細は下記のとおりです。
| 8,000円~19,999円 | 200円 |
| 20,000円以上 | 500円 |
島根県松江市の宿泊税は、宿泊料金にかかわらず一律200円です。
| 5,000円~ | 200円 |
宮城県の宿泊税は、宿泊料金にかかわらず一律300円です。
| 6,000円~ | 300円(宮城県分100円・仙台市分200円) |
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宿泊税の勘定科目は原則「租税公課(不課税仕入)」です。理由は3つあります。①地方税であり対価性がないこと、②消費税の課税対象外(不課税取引)であること、③領収書への記載有無によって課税仕入れとの区分が必要なためです。
宿泊税の勘定科目は、原則として「租税公課」として仕訳します。ただし、宿泊施設の請求書や領収書には、宿泊税の記載がある場合とそうでない場合(宿泊費に合算されている場合)があります。 記載がある場合は「租税公課」で処理しますが、記載がない場合はどうしたらよいのでしょうか。以下では、宿泊税に関する記載の有無に分けた勘定科目と仕訳方法を解説します。
宿泊施設の請求書や領収書に宿泊税の記載がある場合の勘定科目は、租税公課になります。具体的な仕訳の例を見てみましょう。
例:宿泊費(ホテル代)11,000円(うち消費税 10% 1,000円)、宿泊税200円の合計11,200円をホテルに現金で支払った。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 旅費交通費(課税仕入) | 11,000 | 現金 | 11,200 |
| 租税公課(不課税仕入) | 200 |
[宿泊代金 11,000円] + [宿泊税 200円] = [合計 11,200円] ➔ 明確に区分されているため、宿泊代金のみを「課税仕入れ」、宿泊税を「不課税仕入」として分けて処理します。
請求書や領収書に宿泊税の記載がない(宿泊費と区分されていない)場合は、「旅費交通費」として処理することが一般的です。この場合、宿泊費を含めて支払った全額を課税仕入れとして計上することが可能です。具体的な例は以下の通りです。
例:宿泊費(ホテル代)11,200円を支払った。領収書には宿泊税の記載はなかった。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 旅費交通費(課税仕入) | 11,200 | 現金 | 11,200 |
宿泊代と税金が区分されていないため、支払った全額(11,200円)を宿泊に対する対価とみなし、「課税仕入れ」として計上します。
インボイス制度(適格請求書等保存方式)における宿泊税の取り扱いにも注意が必要です。 宿泊税は地方税(法定外目的税)であり、消費税の課税対象とならない「不課税取引」に該当します。そのため、宿泊税の部分についてはインボイスの要件である「登録番号(T番号)」の記載や、適用税率ごとの区分記載の対象外となります。 領収書に宿泊税が区分記載されている場合は、消費税の仕入税額控除の計算には含めず、不課税として正しく処理しましょう。
出張旅費特例(インボイス対応)の適用範囲や具体的な経理手続きを解説
BTMを利用した場合、宿泊代金が会社への一括請求(事前決済)となっている場合が多いです。しかし、この場合であっても、自治体のルールにより宿泊税のみホテル現地で別途徴収されるケースがあります。この場合は、現地で受け取った宿泊税の領収書(数百円程度)をスマートフォン等で撮影し、立替経費として「宿泊税(不課税)」の費目で申請する運用フローを社内で周知してください。
宿泊税に消費税はかかりません。これは不課税取引です。理由は3つあります。①地方自治体に対する納税であること、②宿泊という役務提供への対価ではないこと、③消費税の課税4要件(対価性の要件)を満たさないためです。
ホテルの宿泊代金そのものには消費税がかかりますが、原則として宿泊税は消費税の対象外(不課税取引)となります。
消費税が課される取引には、以下の「課税の4要件」をすべて満たす必要があります。
| 【消費税の対象となる要件】 1. 国内において行うものであること 2. 事業者が事業として行うものであること 3. 対価を得て行うものであること(対価性) 4. 資産の譲渡・貸付け、役務の提供であること |
宿泊税は、冒頭で解説したように地方自治体に納める法定外目的税です。ホテルから宿泊というサービス(役務の提供)を受けるための対価ではなく、あくまで税金としての徴収です。したがって、上記の「3. 対価を得て行うものであること(対価性)」に該当しないため、消費税はかからない(不課税)という扱いになります。不課税であるため、インボイス(適格請求書)において消費税を区分記載する対象にもなりません。
前述の通り宿泊税は不課税ですが、実務上は宿泊施設の請求書や領収書に宿泊税の記載があるかどうかで、消費税の計算(課税仕入れの判定)が変わります。
領収書に宿泊税の記載がない場合は、例外的に宿泊費を含め支払った全額を「課税仕入れ」として計上することが認められています。これは、受領した書類上から宿泊税額を明確に区分できない場合は、支払った総額を「ホテルからの役務提供に対する対価」として扱うためです。
出張費の費目や課税・不課税の基本的な考え方について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。
出張費はどこまでが対象範囲?課税対象?出張費の基礎知識をおさらい
入湯税とは、温泉を利用した場合に支払う税金 のことです。宿泊施設に温泉施設が備わっている場合は、宿泊の際に入湯税を支払う必要があります。入湯税は温泉の周りの環境改善のために徴収される市町村税であり、施設の運営者が宿泊者に代わって納めます。
総務省が原則定めている入湯税は「150円」ですが、実際は市区町村によって異なり、それぞれの市区町村で独自に定めることもできます。
入湯税の勘定科目や消費税の取り扱いについては、原則、宿泊税と同じと考えてよいでしょう。つまり、ホテル側の領収書に入湯税の記載があるか否かによって勘定科目や消費税の取り扱いが異なってきます。以下では、領収書の記載内容別に仕分けの事例を紹介します。
宿泊施設の請求書や領収書に入湯税の記載がある場合の勘定科目は、租税公課になります。
例:宿泊費(ホテル代)11,000円(うち消費税 10% 1,000円)、宿泊税200円、入湯税150円の合計11,350円をホテルに現金で支払った。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 旅費交通費(課税仕入) | 11,000 | 現金 | 11,350 |
| 租税公課(不課税仕入) | 200 | ||
| 租税公課(不課税仕入) | 150 |
請求書や領収書に宿泊税の記載がない場合は、宿泊費を含め支払った全額を課税仕入れとして計上することが可能です。その場合の勘定科目は、旅費交通費になります。
宿泊施設の請求書や領収書に宿泊税の記載がある場合の勘定科目は、租税公課になります。
例:宿泊費(ホテル代)11,350円を支払った。領収書には宿泊税や入湯税の記載はなかった。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 旅費交通費(課税仕入) | 11,350 | 現金 | 11,350 |
上記のように、宿泊税や入湯税は、明らかになっている場合とそうでない場合で異なる勘定科目を用いて経費処理する必要があります。
宿泊税の実務管理では社内ルールの整備が最重要です。理由は3つあります。①現地払いのため出張者が自己負担リスクを認識していない場合があること、②領収書への記載有無で仕訳が変わりミスが生じやすいこと、③自治体ごとにルールが異なりシステム自動処理の設定が必要なためです。
宿泊税や入湯税は、出張の手配や経費精算において「見落とされがちなコスト」です。経理部門や出張管理担当者が注意すべき実務上のポイントと、トラブルを防ぐための社内ルール整備について解説します。
宿泊税や入湯税は、原則として宿泊施設での「現地払い」となります。オンラインの出張手配システムや予約サイトでホテル代を「事前決済(会社への一括請求)」にしている場合でも、宿泊税のみチェックイン・アウト時に現地で請求されるケースが多々あります。 また海外出張においては、ハワイやラスベガスなどでホテル独自に追加徴収する「リゾートフィー(Resort Fee)」が一般的であり、こちらも現地払いが原則です。 出張者には、「現地で追加の税金や費用を支払った場合は、必ず領収書をもらい立替精算を行うこと」を事前に周知徹底しましょう。
宿泊税は地方自治体が課す法定外目的税であり、宿泊施設は顧客から一時的に税金を預かっているにすぎません。そのため、領収書に宿泊税が明記されている場合は、宿泊費(旅費交通費)とは明確に区分し、「租税公課」として仕訳を行います。 近年、経費精算システムのAI・OCR(画像認識)機能で領収書の自動読み取り・自動仕訳が行われることが増えましたが、宿泊税まで「旅費交通費」として合算で取り込んでしまう誤りが発生しがちです。宿泊税の金額や課税基準は自治体によって異なるため、自動入力を鵜呑みにせず、最終的には最新の自治体ルールと照らし合わせて目視チェックを行うことが重要です。
2026年現在、全国の多くの自治体で新たな宿泊税の導入や、既存税率の引き上げに向けた条例改正の動きが活発化しています。経理・総務担当者は以下のチェックリストを活用し、社内体制をアップデートしておきましょう。
宿泊税・新規導入向けチェックリスト
| [ ]最新の宿泊税導入自治体・税率のリストアップ(総務省や各自治体HPを定期確認) [ ]経費精算システムの費目アップデート(「宿泊税」費目の新設や、税区分「不課税」のデフォルト化) [ ]出張先のエリアで導入・変更があった場合の、該当部門・営業所へのアナウンス [ ]下記の「出張旅費規程」における宿泊税の取り扱いの明文化 |
出張時のトラブルで多いのが「宿泊費の上限額に、宿泊税は含まれるのか?」という疑問です。例えば「宿泊費上限10,000円」の規定に対し、宿泊料金9,900円+宿泊税200円=10,100円となった場合、上限超過で自己負担になるのかどうか、規程で明確にしておく必要があります。
出張旅費規程の追記・改定文例
(宿泊費) 第〇条 宿泊費の支給上限額は、役職に応じて別表に定める通りとする。ただし、当該上限額には消費税を含むものとする。 2 前項の規定にかかわらず、地方自治体が条例で定める「宿泊税」および「入湯税」等、宿泊施設にて別途徴収される法定外目的税については、宿泊費の上限額には含めず、実費にて別途支給(実費精算)するものとする。その際、出張者は当該税額が記載された領収書等を提出しなければならない。
このように「宿泊税は上限に含めず実費支給とする」と明記することで、出張者の不満解消と経理処理のスムーズ化に繋がります。
インバウンドの影響もあり、宿泊税を導入する自治体は増加しています。一方で、それぞれの自治体により宿泊税の課税ルールは異なり、企業側の仕訳も注意が必要です。ホテルの予約をする際は、宿泊税の有無も併せて確認し宿泊先を選択しましょう。
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