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出張する際に必要となる航空券や新幹線、宿泊施設の手配については多くの場合、出張者自身が行いますが、会社によっては総務部門が一括で行うケースがあります。また、役員の出張にあたっては秘書課で対応するケースもあるでしょう。
出張手配を代理で行うのは、出張者の日程把握から氏名・年齢等の情報収集、航空券やホテルの好みチェックなどとても骨の折れる作業です。日経xwomanさんの敏腕秘書たちが集結「秘書ってこんなオシゴト」座談会でも、現役秘書の出張手配における苦労話が掲載されています。
この記事では、出張における代理手配にて押さえるべきポイントや新幹線・航空券・ホテルなど各手配物の手配方法について解説します。
遠方の取引先との商談や地方部局との打ち合わせなどにより、出張が必要となった場合の一般的なフローです。企業によっては実施しない工程もあるので、自社で必要な業務を確認しましょう。
出張の流れについてはこちらをご覧ください。
秘書は出張の話が出た時点で「5W2H」を確認し、出張準備のプランニングをしましょう。
プランニングの際、参考になる情報は過去の出張記録です。独断で手配をせず、会社の規定や出張者の意向を確認し準備しましょう。また、出張者に希望を尋ねる際は、情報の二度聞きにならないよう必ずメモをとりましょう。
航空券の手配にあたっては、純粋な移動時間に加えて搭乗手続きに要する時間も考慮しましょう。また、座席クラスに関しては役職によって異なってくるので自社の旅費規程のチェックが必須です。その他、マイレージ情報なども事前に把握しておきましょう。
時間は「到着・出発時間」「乗り継ぎ時間」に気を付けましょう。国内線の場合は出発のおおよそ30分前までに、国際線の場合は出発の1時間前に保安検査場を通過することが一般的です。しかし、連休前後の混雑時や時間帯によって保安検査場がスムーズに入れないことがあります。さらに、利用空港が広い場合、保安検査場から搭乗ゲートまで遠く、搭乗ゲートまで間に合わない可能性もあります。そのため、飛行機を利用する際は十分な時間を確保して行程を組みましょう。早めに空港に到着する行程を組む際は、ラウンジの利用有無も確認しましょう。
保安検査場の通過目安時間は航空会社のホームページをご覧ください。
チケットの値段は大きく分けて2種類です。直前に変更・取消しができる正規運賃と不可の割引運賃があります。出張者が日頃から予定の変動がある場合は、正規運賃がおすすめです。
国際線は主にファーストクラス、ビジネスクラス、プレミアムエコノミー、エコノミーの4種類です。国内線は主にファーストクラス、プレミアムエコノミー、エコノミーの3種類です。役職に合わせてクラスを選択しましょう。
また、座席の指定は、フライト時間が3時間以上の路線はお手洗いに行きやすい通路側がおすすめです。複数名で行く場合は、座席を近くにするか、もしくは出張者のプライベートを考慮して座席を離して指定するか確認して指定しましょう。
国際線の場合、「生年月日」「パスポート情報」「名前」が必要です。パスポート情報は、利用する航空会社によって、事前にパスポート番号と有効期限を登録する必要があります。パスポートの有効期限を必ず確認し、もし直近で切れてしまう場合は出張者に早めに更新するよう促しましょう。名前のスペルはパスポートに登録している名前と予約した時の名前が一致する必要があるので、注意深く確認しましょう。
「アライアンス」「マイレージ番号」も必要であれば確認しましょう。基本的な情報ですが、ANAはスターアライアンス、JALはワンワールドです。出張者がマイルを貯めている場合は、予約時にマイレージ番号の入力が必要です。
新幹線は紙チケットやQRコード、エクスプレス予約など予約方法によってチケットの受け渡し方が変わってきます。紙チケットを選択する場合は、受け取りまでの時間を考慮しましょう。新幹線の代理手配で気を付ける点は下記の通りです。
新幹線は1時間の本数が多いため、時間の融通が利きます。出張者が駅で長く待つことがないように適切な時間を選びましょう。座席に関しては、「自由席・指定席」「普通車両・グリーン車両」があります。指定席の場合は窓側・通路側の希望も確認しましょう。新幹線は飛行機と比べて足元が広いため、窓側を希望する出張者もいます。
券売機にて出張者自身がチケットを出すか、もしくは既にチケットを発券した状態で手渡しするか、事前に確認しましょう。注意点として、一度チケットを発券してしまうと、オンライン上での変更・取消ができません。窓口での対応となり手続きに時間がかかります。スケジュールが変更になりうることを考慮して、発券のタイミングに気を付けましょう。また、利便性を考えて、チケットレスのスマートEXやエクスプレス予約を利用するのも良いでしょう。
宿泊施設の選定にあたっては立地と価格が重要です。会社の旅費規程を満たしつつ、訪問場所へのアクセスに優れたホテルを選びましょう。また、禁煙・喫煙情報なども事前に把握しておくとスムーズでしょう。
会社規定と宿泊先周辺の治安などを考慮して値段を決めましょう。できるだけ安いホテルを手配したい思いはありますが、出張者の安全を確保することも視野に入れておく必要があります。宿泊先周辺の治安があまりよくない場合はホテルで食事ができるよう手配することをおすすめします。
国内ホテルは設備やアメニティが充実しているため、あまり困ることはありません。しかし、海外ホテルは不十分なケースが多々あります。ホテルの公式ホームページで、どのような設備があり、アメニティは何があるか確認しましょう。不足部分に関しては、予め出張者に詳細を伝えておくと良いでしょう。
禁煙・喫煙
出張者が煙草を吸う場合、喫煙室を利用するか確認するとよいでしょう。なお、近年は喫煙可能な部屋は非常に減っています。特に海外のホテルは全面禁煙がほとんどなので注意しましょう。
海外出張で欠かせないものは通信手段です。出生先で利用する通信手段を確認しましょう。一般的な通信手段は「携帯会社の海外パケットサービス」「WiFi」「SIM」の3種類です。WiFiを利用する場合は、貸出返却場所を必ず確認し、空港で受け渡しをするのか、自宅へ配送するのか明確にしましょう。
通信手段の選び方については以下をご覧ください。
海外出張の通信手段。モバイルWiFiや海外パケット放題など何を選ぶべき?
海外出張の場合、ビザやESTAなどの電子渡航システムの手続きが必要な国があります。各種ビザの要否を確認しましょう。取得する方法は、出張者自身が手続きをするのか、もしくは代行サービスを利用するかのどちらかです。手続きが複雑なものが多いため、多くの会社が代行サービスを利用して取得しています。会社規定を確認して、速やかに手続きを済ませましょう。既に、取得済みの場合は有効期間がどれくらいあるか確認しましょう。
海外出張の場合、通訳者の有無を確認しましょう。通訳者が必要な場合、社員を選出するか、外部に依頼するかを決め、外部に依頼をする場合は予算などを確認しましょう。
出張先の交通手段を確認しましょう。国内であれば、タクシーやレンタカーが一般的です。レンタカーの場合は車種、営業時間を確認し、出張者のスケジュールに適した手配をしましょう。海外出張においては、深夜に空港到着する場合や複数名で行く場合は送迎サービスを利用することをおすすめします。その際は、全員分のスーツケースが入る車種を選びましょう。
出張先へお土産が必要な場合は、先方の好みを事前にリサーチし喜ばれるお土産を選びましょう。出張者がスーツケースや手荷物で運ぶことを考慮して、型崩れしないものや、かさばらないものを選びましょう。
企業によっては出張者に出張情報をまとめた日程表を渡すケースもあるでしょう。特に役員の手配等においては秘書さんが丁寧に出張日程表を作成する場合が見られます。
日程表は「一目で分かる見やすさ」を重視して作成しましょう。社内でフォーマットがある場合はそれを活用しましょう。ない場合は、過去の出張で作成したものを引用すると良いでしょう。また、出張者がタブレットやスマートフォンから確認できるように、PDFで共有しましょう。
記載内容は「タイムスケジュール」「目的地の地図」「宿泊先情報」を記載しましょう。タイムスケジュールや地図を引用する際は「Googleマップ」がおすすめです。各区間の移動手段と移動時間を算出してくれるため、目安の時間を確認できます。あくまで、目安時間のため、余裕を持って行動できるように時間を設定しましょう。
また、日程表と併せて、飛行機のEチケットやホテルの予約確定バウチャーなども添付すると、出張者が確認しやすいです。
日々の業務を遂行しながらの代行手配を進めると、ミスが発生する可能性があります。効率性を上げる方法として、代行手配を専門的にしているサービスを利用することをおすすめします。具体的には「旅行会社に出張手配をお願いする」「出張手配管理システム(BTM)を導入する」の2つのパターンがあります。
旅行会社に出張手配をお願いする場合、自分で探す手間がなくなり、手配完了までの時間が大幅に削減できます。しかし、対応できる範囲はフライトや新幹線、宿泊先の手配に関する部分のみです。出張手配管理システム(BTM)は、出張申請から手配、精算まで様々な業務で委託できる部分があります。
出張における代理手配は非常に時間がかかる作業と言えます。そのため、業務効率性の向上が重要になってきます。海外渡航が緩和し、徐々に出張が増え始めているのを機に、出張手配の効率化を検討するとよいでしょう。