今回は、オランダ出張における出入国とビザや現地情報について紹介します。なお、規定や手続きは変更となる場合がありますので、最新情報は下記のリンク等にて確認しましょう。(※2025年12月現在の状況です。)
もくじ
オランダは、欧州の物流・経済のハブであり、日本企業にとっても重要なビジネス拠点です。効率的な渡航のためには、拠点となる都市の把握と最新の入国ルールの理解が欠かせません。
本章では、ビジネス渡航で想定される都市を紹介するとともに、出張者が渡航前に確認しておくべき基本情報について解説します。
オランダへのビジネス出張では、経済活動が集中する以下の都市が中心的な渡航先となります。
| 主要都市 | 都市の役割・ビジネス特性 | 最寄り空港 (コード) | 空港から市内へのアクセス |
| アムステルダム | 経済・金融・ITの中心。 日本企業が最も多く進出している。 | スキポール (AMS) | 鉄道で約15〜20分。24時間運行。 |
| ロッテルダム | 欧州最大の物流・海運拠点。 製造・エネルギー産業が集積。 | ロッテルダム・ハーグ (RTM) | スキポールから鉄道(高速)で約25分。空港からタクシーで約15分。 |
| ハーグ | 政治・国際司法の中心。 政府機関、エネルギー大手本社。 | スキポール (AMS)※RTMも利用可 | スキポールから鉄道で約30分。RTMからタクシーで約25分。 |
| アイントホーフェン | ハイテク・研究開発の拠点。 「欧州のシリコンバレー」。 | アイントホーフェン (EIN) | スキポールから鉄道で約1時間半。空港からバスで約20分。 |
オランダはシェンゲン協定加盟国であり、短期の商用渡航には特別なルールが適用されます。企業側・出張者側で以下の基本事項を事前に確認し、適切な準備を行うことが重要です。
オランダを含むシェンゲン協定加盟国からの「出国予定日」から3ヶ月以上の残存有効期間が必要です。
また、パスポートの査証欄に未使用の余白が2ページ以上あることも必ず確認してください。ページ数が不足していると、日本での搭乗手続き時や現地での入国審査で拒否されるリスクがあります。
※訪問国(ベルギーなど)によっては「連続3ページ」が必要な場合もあるため、複数国を周る際は余裕を持ったページ数が必要です。
日本国籍者は90日以内の短期商用であればビザ不要です。
全シェンゲン加盟国での滞在期間を合算して「過去180日間のうち90日以内」という制限があります。過去6ヶ月間の渡航履歴を確認し、残りの滞在可能日数を正確に計算する必要があります。
日本国籍者は、シェンゲン協定に基づくビザ免除制度により、一定条件下でビザなしでオランダへ短期滞在することが可能です。
一方で、滞在日数や活動内容によっては、事前にビザや就労・居住許可の取得が必要となるため、渡航目的の正確な整理が重要です。
日本国籍者は、90日以内の短期滞在であれば、原則としてビザ(査証)は不要です。
滞在は、「過去180日間の期間内で最大90日まで」という、いわゆる90/180ルールが適用されます。この日数には、オランダだけでなく、他のシェンゲン協定加盟国での滞在日数もすべて合算されます。90日以内の出張であっても、直近で他のシェンゲン国に渡航していた場合は、正確な残存日数を確認する必要があります。
以下は、報酬を伴わず、短期で行われることを前提とした活動です。
2025年後半より、ビザ免除対象者であっても、入国時に顔写真や指紋などの生体情報を登録する「EES(出入国管理システム)」の対象となる予定です。
さらに、2026年以降は事前渡航認証制度「ETIAS」が導入され、渡航前にオンライン申請・承認が必要となる見込みです。
ETIAS(エティアス)はいつから必要?2026年導入予定の最新情報解説
短期商用の範囲を超え、現地で実務作業を行う場合や報酬を得る活動を行う場合は、ビザ免除の対象外となり、適切な就労・居住許可が必要です。
駐在員や専門技術者向けの居住許可。受入企業がオランダ移民局(IND)の認定スポンサーである場合、審査が迅速に行われます。
日本の親会社からオランダ支社へ、マネージャーやスペシャリストとして転勤する場合に適用されます。
滞在期間が90日以内であっても、機械の据付、建設作業、直接的な技術作業などの実務を行う場合、内容に応じて雇用主による申請が必要となる場合があります。
日本国籍者のみに適用される制度で、起業家や自営業者が比較的柔軟に居住許可を取得できる枠組みです。短期出張ではなく、中長期滞在向けの制度です。
90日以内の滞在であっても、商談のみか、実務作業を伴うかによって必要な許可は大きく異なります。
技術指導・設置作業・現場対応などが含まれる場合、就労許可(TWV)等が必要となる可能性があるため、渡航前に活動内容を明確に整理することが、コンプライアンス上極めて重要です。
ビザ要件に関する情報は、以下の公式機関のウェブサイトに掲載されています。制度は頻繁に変更されるため、渡航前に必ず最新情報を確認してください。
日本国内でのビザ申請・領事手続きの窓口(事前予約制)
就労・居住許可に関する公式情報、申請要件・手数料の確認先
治安情報および日本人向け入国要件の基本情報
| 項目 | 詳細 | 備考 |
| パスポート | 残存期間:出国予定日から3カ月以上 / 10年以内に発行 | 必須 |
| 英文出張証明書 | 会社発行の滞在目的・費用負担を記したもの | 推奨 |
| クレジットカード | タッチ決済対応のもの(2枚以上) | 必須(現金不可の店が多い) |
| 変換プラグ | CタイプまたはSEタイプ | 必須 |

オランダへは 入国審査→預け荷物受け取り→税関申告 の流れで入国となります。
オランダはシェンゲン協定加盟国のため、シェンゲン領域国の場合は、入国は到着した空港と最後に出国する空港で入国・税関審査を受けます。
飛行機を降りたら、「Arrival(到着)」の案内板に従って「Immigration(入国審査)」へ。
EU諸国外旅行者用カウンターに並び、審査官にパスポートを提示して審査を受けます。
日本出発の際に手荷物を預けた人は、自分が乗ってきた飛行機の便名が表示されたターンテーブルで受け取ります。
免税範囲内の人は「NOTHING TO DECLARE」と書かれたゲートへ進み、申告するものがある人は「GOODS TO DECLARE」と書かれたゲートへ進み、審査を受けます。
アムステルダム・スキポール空港は、オランダ最大の国際空港で、アムステルダムから約10km南西に位置しています。この空港はKLMオランダ航空の本拠地でもあり、日本へは東京・大阪に直行便が就航しています。
空港から市内中心部へ最も早く、利便性の高い移動手段です。空港の中央ホールがそのまま駅となっており、プラットホームは地下1階にあります。
アムステルダム中央駅までは約15〜20分で到着し、片道料金は利用方法によって異なりますが、約5〜6ユーロ程度です。IC(インターシティ)列車のほか、OVチップカードやクレジットカードのタッチ決済にも対応しています。(料金は変動する場合があります)
エアポートエクスプレス397番は、空港と市内中心部(ミュージアム地区など)を結ぶ路線バスで、日中から深夜前までおよそ15〜30分間隔で運行しています。所要時間は約30〜40分、片道料金は約6.5〜7ユーロです。
なお、深夜帯は397番に代わり、ナイトバスN97が運行します。
また、空港からはホテルシャトルバスも運行しており、アムステルダム市内の提携ホテルまで移動することができます。複数のホテルを巡回する方式で、料金は目的地や利用条件により異なりますが、おおよそ9.5〜18.5ユーロが目安です。(料金は変動する場合があります)
空港から市内中心部までの所要時間は約30〜40分です。料金は約45〜60ユーロ程度が一般的で、時間帯や交通状況によって変動します。正規タクシーのほか、Uberなどの配車アプリを利用すると、料金が割安になる場合もあります。
時間に非常に厳格で、会議や商談は5分前到着が基本です。遅刻や直前の予定変更は信頼を損なうため、事前の連絡と計画的な行動が求められます。
ビジネスシーンでは、シンプルで実用的な服装が好まれます。過度にフォーマルすぎる装いは不要ですが、清潔感は重視されます。初回訪問や重要な商談ではジャケット着用のスマートビジネスが無難です。歩く機会が多いため、歩きやすい靴や天候変化に対応できる服装が適しています。
結論から述べる率直で論理的な伝え方が好まれます。遠回しな表現や過度な前置きは避け、要点と次のアクションを明確に伝えることが重要です。
公用語はオランダ語ですが、ビジネスでは英語が広く通用します。明確で簡潔な英語表現を心がけると円滑です。
業務時間と私生活を明確に分ける文化があり、夜間や週末の連絡は原則避けるのが一般的です。
スキポール空港やアムステルダム中央駅周辺では、ビジネスマンを狙った巧妙な「スリ」や「置き引き」が多発しています。移動中やカフェ利用時には、荷物から目を離さない、椅子や床にバッグを置きっぱなしにしない、貴重品は常に身につけて管理するなど、基本的な防犯対策を徹底してください。
オランダではキャッシュレス決済が非常に進んでおり、バスやトラムなどの公共交通機関、セルフレジ型店舗、一部のカフェや飲食店では現金が一切使用できない場合があります。支払いはクレジットカードやデビットカード、タッチ決済が主流で、少額決済でもカード利用が一般的です。出張の際は、国際ブランドのクレジットカードを必ず携行し、海外利用設定や利用限度額を事前に確認しておくことが推奨されます。
オランダではチップは義務ではありません。レストランやカフェの料金にはサービス料が含まれていることが一般的です。ただし、サービスが特に良かった場合には、会計金額を端数切り上げる、または5〜10%程度を上乗せすることがあります。タクシーでも同様に、必須ではありませんが、満足した場合に少額を加える程度で問題ありません。
スキポール空港は時間帯によって混雑することが多いため、国際線利用の場合は出発時刻の3時間前を目安に空港へ到着することを推奨します。特に繁忙期や朝夕の時間帯は、保安検査や出国審査に時間を要する場合があります。
シェンゲン協定では、過去180日間で最大90日まで滞在可能という「90日ルール」が厳格に適用されます。この日数には、オランダだけでなく他のシェンゲン加盟国での滞在日数も合算されます。入国日・出国日はどちらも滞在日数に含まれるため注意が必要です。
90日を超えて滞在した場合、罰金、強制退去、再入国制限などの対象となる可能性があります。違反履歴は記録され、将来の欧州渡航やビザ申請に影響することがあります。出張延長や周遊により、意図せず超過するケースが多く見られます。
原則として現地での短期滞在延長は認められていません。滞在日数は事前・滞在中ともに正確に管理し、出国日を厳守しましょう。
オランダで一定額以上の買い物をした場合、出国時に空港の税関窓口で免税(VAT還付)手続きを行うことができます。手続きには、購入時の免税書類、レシート、購入品(未使用)の提示が必要となるため、時間に余裕をもって手続きを行うよう注意してください。
住所: 〒105-0011 東京都港区芝公園3-6-3
駐日オランダ大使館
住所:Tobias Asserlaan 5, 2517 KC The Hague, Netherlands