出張の頻度が増えると出張関連業務負荷が重くなったり、手配内容にばらつきがでるなど、様々な課題が生じてきます。企業はそれらの課題を解決すべく、出張の運用整備に着手します。そして、運用整備の柱となるのが出張手配方法の選択です。
出張にあたっては、旅行会社に依頼する方法や個々の出張者が航空会社などの公式サイトで直接予約するなど様々な手配方法があります。どの方法を選択するかによってその後の経費精算の流れや規程のチェック方法などが変わってきます。また、出張手配に関連するバックオフィス業務にも影響を与えます。
この記事では、出張において必要となる手配物やその手配方法について整理します。また、選択にあたっての論点や決定方法について解説します。さらに、旅行会社や出張手配サービスに依頼する場合のメリットや課題についても言及します。
まずは出張で必要になる手配物を把握しましょう。出張で手配すべきものは、航空券や新幹線、ホテルはもちろんのことWiFiやレンタカー、ビザなど多岐に渡ります。主な手配物としては以下が挙げられます。
必要になる手配物は出張先によって異なります。自社の出張頻度が高いエリアで必要になるものをリストアップし、それらの手配先を特定していきましょう。
出張代理手配のいろは:手配の全体像から航空券やホテルなどの手配方法を解説
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レジャーの場合は航空券やホテルを手配すれば終わりですが、出張の場合は手配だけすればよいわけではありません。航空券やホテルを手配する前には、社内で出張稟議を回す必要があります。また、出張中は出張者の安全を確保することも企業の役割になります。さらに、出張終了後は出張者の立替費用の精算業務が待っています。出張にあたっての業務としては以下が挙げられます。
自社が選択した手配方法によって業務フローは変わってきます。そのため、既存の業務フローを可視化し、それぞれの業務を誰が行っているかを明確にしましょう。
出張業務は代行・委託したほうがよい?出張手配関連業務を可視化
御社の出張に必要となる手配物と業務フローが整理できたら、それぞれの手配物の手配方法をリストアップしましょう。一般的には、「旅行会社に依頼する」、「出張管理システムで予約する」、「公式サイト等で予約する」の3パターンが考えられます。さらに公式サイト等の場合は、JALやANAのような公式サイトもあれば、JTBやExpedia等の旅行会社が運営するオンライン予約サイト経由で購入する方法もあります。
手配方法によって管理のしやすさや出張前後の申請・精算業務も大きく変わってきます。例えば、公式サイト等で予約を行った場合は、ご自身のタイミングで予約できる反面、出張情報の管理や立替負担が発生するといった課題が発生します。それぞれの手配方法について特徴やメリット・デメリットを整理しましょう。
国内出張の手配方法一覧
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手配物のピックアップ、手配方法の整理が完了したらいよいよ選定のフェーズに入ります。選定にあたっては、自社が出張において解決したい課題をリストアップし、それぞれの課題が解決できるかを確認するプロセスが求められます。出張手配の選定にあたり検討すべき事項は下記の通りです。
航空券や宿泊施設を探すのはかなりの時間を要します。とりわけ、インバウンド需要の増加によりホテル価格が高騰している現状においては、会社の出張旅費規程を満たすホテルがなかなか見つからないといったケースもあります。結果として、これまで以上に探索に時間を要することになっています。
さらに大変なのが代理手配です。総務部門や秘書の方々が出張者に代わって手配することがよくありますが、出張者への要望確認や最終決定のための連絡など、手配の手間は更に増大します。出張が多く、代理手配が中心となっている企業においては、出張手配にかなりの時間を割いているはずです。
出張における手配の手間を軽減することは、手配方法の検討にあたっての重要な論点と言えるでしょう。
秘書が効率的に役員の出張手配を行うためのステップやコツを解説
多くの企業は、航空券や宿泊施設を予約する前に社内で申請を行い、上長の承認を得る必要があります。また、出張後には出張費の精算を行います。これらの申請・精算業務は出張者にとって非常に重荷になっており、精算遅延などが発生しています。また、負担は出張者だけでなく、関係する社員にとっても負担増となっています。例えば、出張経費精算が増えると、チェックを行う会計・財務部門の負荷が増加します。
手配方法の選定にあたっては、一般的に出張総務と言われる出張申請や出張費精算業務の増減についても考慮しましょう。
フライトやホテルに関して出張者が自由に手配できる場合、柔軟性が増す反面、手配内容にばらつきがでる可能性があります。具体的な例でいうと、同じ出張にもかかわらず、人によってホテルの料金が大きく異なったり、カラ出張が発生したりといった事象が挙げられます。
会社にとっては適正な金額で出張してもらうことは非常に重要であり、出張費用の均質化を意識しましょう。
航空券や宿泊施設は非常に高額であり、出張者が支払った場合、出張者の立替金額は国内出張の場合は5万円、海外出張だと20万円を超えることも珍しくありません。出張の多い営業社員などは月に複数回出張があるため、月間での立替金額は数十万となるケースも多々あります。従業員による立替は、特に若手の社員にとっては日々の生活に負担が大きいため、会社側も何かしらの対応が必要でしょう。一つの対応策として「仮払金」がありますが、仮払いは会計処理が煩雑になり、経理部門の管理や事務工数が高まります。立替費用の回避策としては、企業への一括請求や従業員へのクレジットカードの付与などが考えられます。
出張する従業員の金銭的負担を軽減することも企業側の検討事項と言えるでしょう。
出張費用は間接費用の半分以上を占めると言われ、出張コストの削減は全ての企業にとっての命題と言えます。仮に月の出張総額が500万円だった場合、10%の削減によって年間600万円のコスト削減につながります。出張コストを削減するためには、一定の管理や統制が必要であり、旅行代理店経由での手配や出張管理システムを通じた手配は有効な手段と言えます。一方で、外部サービスを導入した場合はサービス利用料が生じるため、利用料を含めたうえでコスト削減効果を検証する必要があります。
皆さんは出張者が今、どこにいるか把握できていますか。例えば、特定の地域で台風が発生した場合に、そのエリアにどの社員が滞在しているかを即座に把握することは可能ですか。社内で出張申請を行っていても申請データを一元管理していないケースは多く、その場合、出張者の居場所を的確に把握することは難しいでしょう。
また、費用に関してもそれぞれの出張費用や都市ごとの平均出張コストを把握している企業は少なく、適切な出張予算の設定ができていない事例も多々見られます。
コスト管理、安全管理の観点から出張データの管理は重要であり、手配方法の選定にあたってのポイントになりえるしょう。
出張情報の管理する方法。出張費用や出張者の居場所は把握できていますか?
出張が定期的に発生する企業では、個々人が公式サイト等で手配するのではなく、旅行会社に業務委託したり、出張管理システムを利用することが多いです。旅行会社や出張管理システムを利用した場合、手配手数料やサービス利用料が発生するため割高になると思いがちですが、出張手配を統制することでコストカットにつながるケースもあります。また、安全管理や緊急時の対応等でも利用のメリットを感じることが多いでしょう。
なお、公式サイト以外で予約を行った場合、チケットはサービス提供者から受け取ることになります。例えば、航空券を予約した場合、航空券のサイトではなく、予約元でEチケットを取得する必要があります。同様に、変更や取消についてもサービス提供者に依頼する必要があります。そのため、サービス提供元の営業時間や対応言語を事前に確認しておきましょう。
旅行会社に出張手配を依頼した場合のチケットの受け取り方と利用方法を解説
この記事では出張における手配方法について整理しました。具体的には、手配物のリストアップから出張関連業務の整理、手配方法の選定基準について解説しました。企業の成長や事業内容の変更に伴い出張の頻度は変動すると思います。出張頻度によって最適な手配方法が変わってくると思いますが、直接コスト、間接コストの双方の観点から最善の手配方法を選択していきましょう。