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【2025年最新】ベトナム出張のビザ・入国チェックリスト|渡航準備の決定版

投稿日:2023.03.13 / 最終更新日:2025.12.17

今回は、ベトナム出張における出入国とビザや現地情報について紹介します。なお、規定や手続きは変更となる場合がありますので、最新情報は下記のリンク等にて確認しましょう。(※2025年12月現在の状況です。)

ベトナム出張の概要

近年、製造業のみならずITオフショア開発やDX推進の拠点として、日本企業にとってベトナムの重要性はますます高まっています。スムーズなビジネス遂行のためには、ベトナム特有の南北による都市特性の違いや、厳格化する入国ルールを正しく理解しておくことが不可欠です。

ビジネス渡航で想定される主な都市・空港

ベトナム出張では、大きく分けて「北部(ハノイ)」「南部(ホーチミン)」「中部(ダナン)」の3エリアが主要な目的地となります。

都市名主要空港特徴・主な産業
ハノイノイバイ国際空(HAN)ベトナムの首都。政治の中心地であり、北部工業団地へのアクセス拠点。
ホーチミンタンソンニャット国際空港 (SGN)経済の最大都市。商業、サービス業、ITスタートアップが集中。
ダナンダナン国際空港 (DAD)近年ITオフショア拠点が急増。リゾート地としての側面も持つ。

出張者が事前に押さえるべきポイント(ビザ、パスポート、有効期限など)

ベトナムは比較的入国しやすい国ですが、ビジネス目的(出張)の場合は、観光目的とは異なるルールが適用されるケースがあるため注意が必要です。

パスポートの残存有効期間 

ベトナム入国時点で「6ヶ月以上」の有効期間が必要です。6ヶ月を切っている場合、日本の空港で搭乗を拒否されるリスクがあるため、更新時期の確認は必須です。

ビザ免除措置(短期滞在)

日本国籍を保有し、滞在期間が45日以内であれば、観光・ビジネス目的を問わずビザなしでの入国が可能です。

注:かつて存在した「前回の出国から30日以内の再入国にはビザが必要」というルールは撤廃されました。

長期滞在・就労の場合(e-Visa)

 45日を超える滞在や、現地での本格的な業務に従事する場合は、オンラインで申請可能なe-Visa(電子ビザ)の取得が一般的です。現在は最長90日までの滞在が認められています。

航空券の準備 

入国審査時に「ベトナムから出国する航空券(eチケット)」の提示を求められることがあります。片道航空券のみでの入国は原則認められないため、必ず往復分をセットで手配しましょう。

日本人出張者のビザ要件

ベトナムへのビジネス渡航において、まず確認すべきは「滞在日数」です。日本国籍保持者には手厚い免除措置がありますが、商談や現地調査、会議への出席など、目的や期間に応じて適切な選択が必要になります。

45日以内の短期出張:ビザ免除措置

日本国籍の方は、以下の条件を満たす場合に限り、ビザなしで入国・滞在が可能です。

  • 滞在期間: 45日以内
  • 入国条件:
    • パスポートの有効期限が6ヶ月以上あること
    • ベトナム入国禁止対象者でないこと
    • 出国用航空券(帰国便または第三国への航空券)を所持していること

【重要】再入国制限の撤廃

以前は「前回のベトナム出国から30日以上経過していないとビザなし再入国は不可」という制限がありましたが、現在は撤廃されています。近隣諸国(タイやシンガポールなど)への周遊を伴う出張でも、その都度ビザなしでの入国が可能です。

46日〜90日の滞在:e-Visa(電子ビザ)の取得

45日を超える長期出張や、マルチプル入国(期間中に何度もベトナムに出入りする)が必要な場合は、e-Visaを取得するのが一般的です。

  • 対象:すべての国・地域の市民(日本国籍を含む)
  • 有効期間:最長90日間
  • 入国回数:シングル(1回限り)または マルチプル(期間内なら何度でも)を選択可
  • 申請方法:ベトナム入国管理局公式サイトからオンライン申請
  • 所定日数:通常3営業日程度(※余裕を持って1週間前の申請を推奨)

45日超・就業目的・駐在の場合に必要なビザの種類の概要

滞在が45日を超える場合、または現地で報酬を伴う労働に従事する場合は、目的に応じたビザの取得が必須となります。

e-Visa(電子ビザ)

46日以上90日以内の滞在であれば、オンラインで申請可能なe-Visaが便利です。商用(Business)目的での取得が可能で、シングル(1回入国)だけでなくマルチプル(複数回入国)も選択できます。

商用ビザ(DNビザ)

ベトナム国内の企業や団体が保証人(スポンサー)となり取得するビザです。現地法人との会議や契約締結など、本格的なビジネス活動を行う際に利用されます。

就労ビザ(LDビザ)

ベトナムに長期間駐在し、現地で就労する場合に必要です。取得には、原則として「労働許可証(ワークパーミット)」の取得が前提となります。

投資家ビザ(DTビザ)

 ベトナム国内に資本出資を行う投資家や弁護士などが対象となるビザです。

ビザ情報を確認すべき公式窓口

ビザの規定は予告なく変更されることがあるため、渡航前には必ず最新の一次情報を確認するよう管理者に周知してください。

駐日ベトナム社会主義共和国大使館(東京)

公式なビザ申請窓口であり、最新の必要書類や手数料を確認できます。

在ベトナム日本国大使館 / 在ホーチミン日本国総領事館

現地での法改正や安全情報、日本人の入国に関する特例措置などが日本語で告知されます。

ベトナム入国管理局(Immigration Department)

e-Visaの申請および入国審査に関するルールを管轄する機関です。

ベトナム入国完全ガイド|最新ビザ情報とビジネス渡航の注意点

注意が必要な「就労ビザ」と「商用ビザ」

一般的な「出張(商談、会議、市場調査)」であればビザ免除やe-Visaで対応可能ですが、現地で直接的な労働に従事する場合や、機材の据え付け・修理などを行う場合は、現地の受け入れ企業を通じて正式な商用ビザ(DNビザ)や労働許可証(ワークパーミット)の手配が必要になるケースがあります。

特に、工場の現場等で作業を行う場合は、入国審査ではなく「現地での抜き打ち検査」で指摘されるリスクがあるため、管理者は現地の法律事務所やパートナー企業に事前確認を行うのが安全です。

渡航前チェックリスト(企業・出張者向け)

ベトナム出張を成功させるには、入国準備だけでなく「現地での決済」や「トラブルへの備え」が重要です。企業担当者と出張者、それぞれのタスクを整理しました。

【管理者向け】企業の準備タスク

社員の安全を守り、コストを最適化するための必須項目です。

海外旅行保険の加入確認

ベトナムでは高度な医療を受ける場合、医療費が非常に高額になるケースがあります。提携病院での「キャッシュレス診療」が可能な保険への加入を推奨します。

危機管理情報の共有

外務省の「たびレジ」への登録や、緊急時の連絡フロー(現地の日本大使館・領事館の連絡先)を周知します。

通信手段(Wi-Fi/SIM)の確保

テザリング制限のない法人用Wi-Fiレンタル、または海外用eSIMの手配を行います。

【出張者向け】持ち物・設定チェックリスト

ベトナム現地での「不便」を解消するための準備です。

項目詳細と注意点
航空券・ホテル予約確認書入国審査で提示を求められる場合があるため、印刷またはオフライン保存。
配車アプリ「Grab」の設定ベトナム移動の生命線です。日本国内(SMS認証ができる環境)で登録・クレカ連携を済ませておきましょう。
複数のクレジットカード決済エラーに備え、VisaとMastercardを1枚ずつ持つのが理想的。
現地通貨(ベトナムドン)空港で少額(5,000円〜1万円程度)を両替。少額紙幣を持っておくとチップやチップなしの支払いに便利。
常備薬・虫除け現地の薬は成分が強いことがあります。また、デング熱対策として虫除けスプレーは必須です。
電源変換アダプタベトナムは主にA型・C型です。日本のA型がそのまま使える場所も多いですが、念のためマルチタイプがあると安心です。
ベトナム入国手続きの流れ(到着空港での動き方)

ベトナム入国手続きの流れ(到着空港での動き方)

ベトナムの主要空港(ハノイ・ノイバイ空港、ホーチミン・タンソンニャット空港)に到着してからの流れを解説します。特にホーチミンは、時間帯によって入国審査に1時間以上かかることもあるため、事前のイメージトレーニングが重要です。

1. 入国審査(Immigration)

飛行機を降りたら「Immigration」のサインに従って進みます。

  • 提示するもの: パスポート、帰りの航空券(eチケットの控え)、(取得している場合のみ)e-Visaのプリントアウト。
  • 入国カード: 現在、ベトナムでは入国カードの記入は不要です。
  • 注意点: 審査官から滞在日数や目的を聞かれることがあります。「Business(ビジネス)」または「Sightseeing(観光)」と明確に答えましょう。

2. 預け荷物の受け取り(Baggage Claim)

入国審査を通過したら、モニターで搭乗便のターンテーブル番号を確認し、荷物をピックアップします。万が一、荷物が出てこない場合は、近くの「Lost and Found」カウンターへ向かい、預け入れ荷物のタグ(半券)を提示してください。

3. 税関検査(Customs)

特に申告するものがない場合は「Nothing to Declare(緑の窓口)」へ進みます。

  • 外貨の持ち込み制限: 5,000米ドル相当額(または1,500万ベトナムドン)を超える現金を持ち込む場合は申告が必要です。
  • 手荷物検査: 出口付近でX線検査が行われる場合があります。

4. 到着ロビー・両替・SIMカード

税関を抜けると到着ロビーに出ます。ここで以下の対応を済ませるとスムーズです。

  • 両替: ロビー内にある銀行のカウンターで、当座のタクシー代やチップ用の現金を両替します。
  • 通信環境: 日本で準備していない場合は、ここで現地SIMカードを購入できます。
  • ピックアップ: ホテルの送迎やガイドを頼んでいる場合は、自分の名前が書かれたボードを探します。

空港から市内までの移動手段

ベトナムの主要空港から市内中心部までは、日本と異なり電車(モノレール等)の整備がまだ進んでいません。そのため、移動手段は「配車アプリ」「タクシー」「専用車」の3択となります。

配車アプリ「Grab」の活用(最も推奨)

ビジネス出張で最も安全かつ透明性が高いのが、東南アジア大手の配車アプリ「Grab(グラブ)」です。

  • メリット: 行き先をスマホ上で指定できるため言葉の壁がなく、料金も予約時に確定します。
  • 乗り場: 空港ごとに「Grab専用のピックアップポイント」が決まっています(例:ホーチミンでは駐車場ビルの指定エリアなど)。
  • 注意点: 空港内では「Grab?」と声をかけてくる個人ドライバーが非常に多いですが、必ずアプリ上でマッチングした車両のナンバープレートを確認し、それ以外の車には絶対に乗らないでください。

公認タクシーの利用

アプリを使わない場合は、一般的な2社に限定して利用するのが鉄則です。

  • Vinasun(ビナサン): 白い車体に赤と緑のライン。
  • Mai Linh(マイリン): 緑色の車体。

利用方法

空港外のタクシー乗り場には各社のスタッフ(ロゴ入りのシャツ着用)が立っています。彼らに行き先を伝え、指定のタクシーに乗せてもらいましょう。

料金

 基本はメーター制です。空港使用料(10,000〜15,000ドン程度)が別途加算されます。

ホテル送迎・専用車のチャーター

深夜の到着や、重要な会食・アポイントへ直行する場合は、宿泊先ホテルによる送迎サービスや、出張管理会社を通じて専用車をチャーターしておくのが最も確実です。空港の出口でドライバーがネームボードを持って待機しているため、迷う心配がありません。

各空港から市内への目安(時間と料金)

空港目的地所要時間目安料金(Grab/タクシー)
ノイバイ(ハノイ)市内中心部(ホアンキエム湖周辺)約45〜60分約30万〜40万ドン
タンソンニャット(ホーチミン)1区中心部約30〜45分約15万〜25万ドン

滞在中の注意点(ビジネス慣行・ルール)

ベトナムでのビジネスを成功させる鍵は、現地の文化を尊重し、信頼関係(フェイス)を大切にすることにあります。日本との違いを押さえておくことで、商談がよりスムーズに進みます。

ベトナム流のビジネスエチケット

名刺交換は「両手」で丁寧に

日本と同様、名刺は両手で差し出し、両手で受け取ります。受け取った名刺はすぐにしまわず、商談中は机の上に並べておきましょう。

敬意を表す呼称

ベトナム人は名字(姓)ではなく「名前」で呼び合うのが一般的ですが、ビジネスの場では「Mr.(ミスター)+名前」「Ms.(ミス)+名前」と呼ぶのが安全です。

意思決定のプロセス

ベトナム企業はトップダウン型が多い一方、現場の意見も尊重されます。商談の場では、誰が最終決定権を持っているのかを見極めることが重要です。

会食とアルコールのマナー

ベトナムのビジネスにおいて、会食は親睦を深める極めて重要な場です。

乾杯の掛け声(1, 2, 3, Yo!)

 「モッ、ハイ、バー、ヨー!」という掛け声で一斉に乾杯するのがベトナム流です。何度も乾杯が行われることがありますが、お酒が飲めない場合は無理をせず、ソフトドリンクで参加してもマナー違反にはなりません。

会計のルール

基本的には「誘った側」が支払う文化です。日本のような割り勘(チェック分割)は一般的ではないため、スマートに支払いを済ませるのがビジネスマンとしてのマナーです。

日常生活の注意点と治安

「ひったくり」への厳重な警戒

ホーチミンやハノイの路上では、バイクによるスマートフォンのひったくりが多発しています。歩道でスマホを見ない、カバンは車道側に持たないといった基本的な対策を徹底してください。

生水は避ける

高級ホテルであっても水道水は飲めません。必ずペットボトルのミネラルウォーターを使用してください。飲食店で出される氷(中央に穴が開いている製氷機の氷は比較的安全とされる)にも注意が必要です。

交通事情

バイクの交通量が凄まじく、信号のない横断歩道を渡る場面も多いです。ゆっくりと一定の速度で歩くとバイク側が避けてくれますが、急に走ったり止まったりするのは危険です。

SNSの活用

ベトナムのビジネスマンは、メールよりも「Zalo(ザロ)」や「Facebook Messenger」を連絡手段として好む傾向があります。名刺交換の後に「Zaloはやっていますか?」と聞くことで、その後のコミュニケーションスピードが格段に上がります。

出国時の手続きとオーバーステイ対策

ベトナム出張の最終日、スムーズに帰国するために押さえておくべき手続きと、法的リスクを回避するための注意点を解説します。

空港への到着タイミングとチェックイン

ベトナムの主要空港は、時間帯によってチェックインカウンターや手荷物検査場が非常に混雑します。

推奨到着時間

  • 出発の3時間前
  • 特にホーチミンの夕方から夜にかけての便は、空港周辺の道路が激しく渋滞するため、さらに30分の余裕を見ておくのが賢明です。

VAT(付価価値税)還付手続き

現地で高額な買い物をし、免税対象となる場合は、チェックイン前に「VAT Refund」カウンターへ立ち寄る必要があります。

出国審査とオーバーステイの厳罰化

ベトナム当局は滞在期限に対して非常に厳格です。1日でも期限を過ぎると「オーバーステイ(不法滞在)」と見なされます。

オーバーステイの主なリスク

  • 高額な罰金: 滞在日数に応じて数千円〜数万円単位の罰金が科せられます。
  • 出国遅延: 空港で足止めを食らい、予定の便に乗れないケースがあります。
  • 入国制限: 悪質な場合や日数が長い場合、強制送還および一定期間(数年間)のベトナム入国禁止措置が取られるリスクがあります。

オーバーステイの対策

ビザ免除(45日)やe-Visa(90日)の有効期限を、出発前に必ずカレンダーやリマインダーで管理しましょう。万が一、現地で病気やトラブルにより期限内の出国が困難になった場合は、速やかに現地の旅行代理店や弁護士を通じて延長手続き、または出国許可の相談を行う必要があります。

空港内での過ごし方と注意点

手荷物検査

ベトナムでは靴を脱いでの検査が一般的です。また、モバイルバッテリーは必ず機内持ち込み手荷物に入れ、預け入れ荷物には入れないよう徹底してください。

ラウンジの活用

ハノイ、ホーチミン共に国際線ターミナルにはビジネスラウンジが完備されています。プライオリティパスや航空会社のステータスを利用して、搭乗までの時間にメールチェックなどの業務を済ませることが可能です。

帰国後の経費精算に向けた準備

領収書の確認

ベトナムでは「レッドインボイス(VAT領収書)」が正式な証憑となります。タクシーのレシートやレストランの領収書が社内の経費精算ルールに合致しているか、出発前に再確認しておきましょう。

参考リンク・公式情報

外務省 海外安全ホームページ(ベトナム)

駐日ベトナム社会主義共和国大使館

ベトナム入国管理局 e-Visa申請サイト(英語)

 

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